彼と彼女の出会いはきっと偶然ではない。
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
そんなやり取りを見ていた雪ノ下はイイ笑顔で俺を見て、一言。
「あなた、知り合いの妹に欲情して脅迫までしてそんな事言わせるとは、人間のクズね」
何故か雪ノ下の中では、俺が知り合いの妹に迫るクズ野郎という事になってるらしい。
……すみません雪ノ下さん、ちゃんと話し聞いてました?俺、脅迫した覚えが無いんですけど。お前ただ俺に悪口言いたいだけだよね?だって凄くイイ笑顔だもん。
「おい雪ノ下、何もそこまで言わなくても」
『…………兄さん』
「そのネタはもうやめろ、そしてさり気なく《お兄さん》から《兄さん》に親密度をレベルアップさせるな」
ちぇッ、比企谷に庇って貰って感動してさり気なく小町ちゃんを頂こうとしたら気づかれたか。
雪ノ下は俺を罵ってスッキリしたのか綺麗な笑顔を浮かべ、
「持つ者が持たざる者に慈悲の心を持ってこれを与える、人はそれをボランティアと呼ぶの。途上国にはODAをホームレスには炊き出しをモテない男子には女子との会話を、困っている人に救いの手を。
それがこの部の活動よ」
いつの間にか雪ノ下は立ち上がり、俺達を見下ろす形になっていた。
「ようこそ、奉仕部へ。歓迎するわ、比企谷君それとクズ夏君」
『ヒドイッ?何、お前俺に恨みでもあるの?もしそうなら全力で謝るからもっと優しくして下さい、心がくだけそうです』
「別にないのだけど」
『デフォでその扱いなの?』
とても歓迎している様な態度ではないし、ヒドイ言われようだった。
俺が驚愕の真実に驚いていると、比企谷が考える様に腕を組みながら。
「つまり困ってる人の手助けをするって事か?」
「えぇ、そう思ってくれて構わないわ。平塚先生曰く、優れた人間は憐れな者を救う義務がある、のだそうよ。頼まれた以上、責任は果たすわ、あなた達の問題を矯正してあげる。ほらさっきのヒントは的確だったでしょ?」
『おい、そのちょっとイイ笑顔で俺を見るんじゃねぇ?何か?俺モテないですけど何かッ?』
「あら?別に春夏君がモテないとは一言も言ってないのだけど?やはり自分がモテないという自覚があるのね」
貴族のように腕を組んで俺を見下ろす雪ノ下に一言言ってやらねばなるまい。
『ッ……この…自分で言うのもなんだが俺はそこそこモテるはずなんだぞ?優しいし、運動神経も抜群だし顔だっていい方だ、勉強が苦手なのと友達と彼女が皆無なのを除けばかなり高スペックなんだ?』
「最後に致命的な欠陥が複数あったのだけど……自分の容姿について自信満々に語るなんて、変な人。もはや死んで欲しいわ」
『うっせ、冷徹女』
笑顔で「死んで欲しいわ」とか言うとかなんて女だ、外見は美少女なのに性格がひどすぎるだろ。笑顔で暴言吐くとか…
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ