新生、会話、驚愕、起きる者
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ように動かない。
「あら、来たのね。桜華」
「なに、ようやくこの日が来たんだ。自分の子孫くらい見てみたいものさ。さてと―」
振り向けないのでどのような顔をしているのかを見る事は出来ないがその声からして、悪戯好きな悪餓鬼の笑顔を連想させた。
「流石に神殺しを縛っておける術はそう長く出来ないからね」
「相変わらずの手際ね。あなた私たちの息子になれたんじゃないの。そこまでの域に達したいるのなら」
それを聞き、桜華は苦笑しながら話す。
「僕はそう言うのには興味が無かったんだよね。けどさ、最強の《鋼》について考えるとなるとどうしても力は必要さ。けど、僕が神殺しになったとしてもすぐに敗れて死ぬさ」
苦笑しながら桜華は蓮華の背後まで歩いてきた。
「君も詳しい事を聞きたいだろうけど、それは現世に戻ってからだ。なに、会いにいくから気長に待っててくれ」
そう言い蓮華の頭に手を乗せる。すると、体を何かが抜けるような感覚がし意識を朦朧としていった。
「じゃあ、いずれまた」
その言葉を最後に蓮華の意識は現世にある肉体へと戻って行った。
◇ ◇ ◇ ◇
蓮華を現世に戻し、生と不死の境界にはパンドラと御剣家初代当主である桜華だけが残っていた。
「ここで話さなくて良かったの?」
「此処で話しても戻ったら忘れてしまうだろ。なら現世で話すものさ」
蓮華を現世の肉体に送った後、桜華は肩を揉み解しながらパンドラと話していた。
「それにしても、君たちの子供になった子って面倒だね。こっちの術に対して対抗してくるなんて。骨が折れるよ」
やれやれと首を横に振りながらもその顔は楽しそうに笑っていた。
「神や私たちの子に対して魔術で縛れるあなたに言われたくないわよ【先読みの魔神】さん」
「その二つ名を聞くのも久しぶりだね」
【先読みの魔神】とは、魔術を極め、神々の領域に踏み込んだ人間が行き着いた頂点。その力は神代の術すら行使可能になった存在。故に【魔神】の称号を得た。そして【先読み】とは桜華が持つ異能である【未来視】から捩ったもの。その二つを合わせて【先読みの魔神】と言われた二つ名である。知る者はいるが、知っていてもそれを本当であると知っているのは僅かな者達であり、他の者達は御伽噺の類だと思っているのである。
「ところで、あなたの従者は元気かしら?」
「元、が付くんだけどね。僕の子孫である蓮華君が神殺しに成ったから封は解けているよ」
その時に成れば解けるようにしていたからね、と付け足した。
「……千年ね。私たちからして
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