新生、会話、驚愕、起きる者
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「……人間に倒されるとはな」
蓮華に全身と頚動脈、心臓を斬られたヘーパイストスは膝をつきながら自身の力が蓮華の流れていっているのを視ていた。
流れていった力は蓮華の身体を再構成し始めた。
これの意味するところは一つ。るパンドラとその夫であるエピメテウスが施した魔王の誕生祭。
神を殺しを成功させた者がその神の権能を奪い、その力を振るう事ができる人類の守護者にして、災厄を振り撒く者。それを人は『カンピオーネ』と呼んでいる。
「……来たか、パンドラ」
「あら、ヘーファイスト様じゃありませんか。お久しぶりですね。何年ぶりですかね」
「忘れたわ。それよりもさっさと済ませろ。でないとお前の新しい子、死に掛けているからな」
「そうですね。それでは_さあヘーファイスト様、祝福と憎悪をこの子に与えて頂戴! 六人目の神殺し、人の身で光の速度に至った魔王に祝福と憎悪の言葉を捧げて頂戴!」
「いいだろう、人の子よ。神殺しの王として新生を遂げるお前に祝福を与えよう。貴様は我から―へーパイストスから権能を簒奪した最初の神殺しだ! 貴様は自分の腕に合う武具を創れ!既存の武具では話にならん!そして、多くと戦いその腕を上げろ! 貴様なら至高の武具を造れるだろう!」
そう言いヘーパイストスは蓮華にその全ての力を簒奪されながら消えていった。
◇ ◇ ◇ ◇
目を覚ましてみたら見知らぬ景色が広がっていた。
地平線の先まで灰色で、距離感が掴めなくなっていた。
「………何処だ、此処?」
ちょっと待て。俺は意識を失った。と言う事はだな此処は、自身の心の中か、死者の国、またはそれに準ずる何かか?
「ここは、生と不死の境界。色々な言い方がされているのよね。ギリシアならイデアの世界。ペルシアならメーノーグね。まあ、蓮華の考えている事は概ね正解よ」
声がしたので目を開けてみると見知らぬ少女がいた。姿は十代半ば頃で、整った顔立ちをしている。体つきは細い。スレンダーな体型をしている少女であった。
「…………誰?」
「私の名前はパンドラ。義母さん、と呼んでね」
「……何故に?」
「それはあなたが私と夫の子供にあたるからよ」
「…あ〜、こう言う事か。まったくちゃんと説明しておけよな、アテナ」
道理で神を殺したものがどうなるのかと言うのを渋ったわけだよ。
ガシガシと頭を掻きながらも納得した蓮華。
パンドラ_ヘファイストスに作られた人類最初の女。神々からあらゆる魅力を与えられた人物。そしてプロメテウスの弟であるエピメテウスの妻となった。
プロメテウスとは
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