新生、会話、驚愕、起きる者
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痛いな、おい。
蓮華は薄れゆく意識の中でそう考えた。
何故蓮華が倒れたか? それは終式_桜花剣嵐にあった。
そもそも、人は光速の域に踏み入る事はできるか?
その問いに対する答えは否である。
まず第一に、人の身で光速に至れるものはいない。
第二に、至ったとしてもその光速という環境下で動く肉体の負担は生半可なものでなく、自身を強化しておかなければ、筋繊維や血管、臓器など体の内側はボロボロになり良くて後遺症が残る程度。悪ければ死ぬのである。
第三に、それほどの速度の負荷に対応できる術が無い。
だが、蓮華は第一の課題である光速に至るというクリアした。それも前世でである。
しかし、第二に述べた事が当然起こり彼は死んだ。しかもソレを“ちょっとした”技の練習と言ったのである。
それでもって『御剣蓮華』として転生したのである。
そして御剣と言う家は呪術、魔術を使っていた当主がおり、そう言った文献もあり、それを読み漁っていた。そこで負担を軽減させる術を構築していたのだが、その当時出来た術は、消費する魔力量、技術的問題など様々な諸事情によりやめたのである。
仮に、完成していたとしても耐熱防御に九割以上の魔力を注ぎ、残った魔力で日本刀を召喚した時点で魔力切れだ。
そして、幾らか身体能力が前世に比べて上がっている蓮華でも耐え切れずに全身から血を噴き倒れたのだ。
最初から出していれば勝てたのではとも思う。しかしだ、この業は蓮華の前世の死因であり、使えば全盛期より上である耐久度でも、死ぬ可能性が高かったのである。
尤も全盛期を超えた肉体であっても負荷に耐え切れずに血を噴いていたであろうが。
それにだ、最初にヘーパイストス相手にダメージを与えて隙が少なくなり、更にはもし相手をしている神が、剣神・武神・戦神のどれかの神であった場合、光の速度であるとは言え反応され反撃を喰らっていた可能性があった。だから使わなかったのだ。
まあ、相手は鍛冶の神であり、どちらにしろあの場合、最後の隙だったので確実に殺しきれる終式を使用したのだが。
「あ〜、ちくしょう。臓器は無事だが血管と筋繊維は半分以上逝ったな」
自身の傷を確認した蓮華は『…この体凄いな』と思っていた。
臓器は何処も潰れておらず、少しばかり傷めた程度。しかし筋肉と血管は半分以上がボロボロである。
まあ、確認したのは良いのだが血を出しすぎて意識が朦朧として、出血多量で死に掛けているのだが。
「それに、眠くなってきたな。…………って、眠りそうだな」
まあ、死期が近いのかねと半分当たって半分外れている事を思いながら意識を失った。
◇ ◇ ◇ ◇
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