第十一話 そうだ、オレは異世界人だ
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ギルバニアが闘悟に笑いかけてくる。
その目の奥には怪しい光が宿っている。
だが、その目の光は不思議と嫌悪感(けんおかん)は湧かなかった。
その光には、警戒が強く含んではいたが、それ以上に自分に対する純粋な興味が窺(うかが)い知れたからかもしれない。
まるで、目新しい玩具の説明を要求してくる子供のようだった。
それにしても見返りねぇ…………ま、突っ込むのは止めとくかな。
「見返りですか……何でもお答えしますよ?」
闘悟は慇懃(いんぎん)に言葉を放つ。
あっさりとした態度に不信を感じたのか、近くにいるミラニという女騎士の視線が鋭く突き刺さる。
腰に下げている剣にはすでに手を掛けている。
いつでも闘悟を取り押さえられるように構えている。
闘悟はそんな思惑をハッキリ感じ苦笑する。
「何でもか……本当か?」
ギルバニアがジロリと見てくる。
闘悟はその答えに頷きを返す。
大体ギルバニアの次の言葉は予想できる。
だから、答えもすでに用意してある。
「それじゃ聞く。……お前は何者だ?」
ほら来た。
当然の疑問だ。
だから、闘悟はハッキリと答えた。
「異世界から来ました」
正直に伝えることで、この場にいる人物の見解を知りたかった。
クィルは闘悟の言葉の意味が分からないとは言っていたが、果たしてこの場にいる者達はどんなリアクションをするのだろうかと、少し楽しみではあった。
「異世界……だと?」
言葉を発したのはギルバニアだ。
その顔は珍しいものを見るようだ。
だが、他の者達は総じて警戒心を強めたらしい。
まあ、いきなり異世界だなんて言っても、信じられはしないだろう。
それ以上に、そんなことを王の前で平然と言う闘悟に気味悪ささえ感じているかもしれない。
ま、王以外は予想通りだな。
だけど、この王の顔……。
ギルバニアの目には増々光が強く宿る。
闘悟の一挙手一投足を観察するような目だ。
「貴様! 先程から怪しい言動ばかり! 一体何を企てている!?」
そんな怒声を放ってきたのはミラニだ。
許可が下りれば飛びかかってきても不思議ではない様子だ。
闘悟はそんな彼女を涼しい目で見る。
「何だその目は!?」
動揺しない闘悟の態度が気にくわなかったのか、怒りのボルテージを上げていく。
「待ちなさい」
そう呼び止めたのは、大臣であるベアンだ。
「し、しかし!」
「いいから。この場をどこと心得ておる?」
その言葉にハッとなり、悔しそうに顔を伏せる。
そして、殺意の籠った視線を投げかけてく
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