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銀河英雄伝説 アンドロイド達が見た魔術師
傍から見る魔術師の壮大な墓穴の掘り方
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の政策によって衰退した帝国の穴埋めをフェザーンが行わないといけない状況に追い込まれていた。
 つまり、フェザーンには現状を維持する力ではなく、現状を変えうる力があるという事。 

「フェザーン現領主ルビンスキー氏はその領主就任前に『フェザーン一星に帰ろう』とフェザーン首都移転計画に反対する事で頭角を現しました。
 もし、その主張をまだ引っ込めていない場合、旧同盟内のフェザーン領返還が問題となります。
 ですが、この内乱でフェザーンの王冠の皇帝を即位させた場合、その国力で同盟を圧倒する事ができます。
 銀河を統一した後で、フェザーン一星に戻ればいいのです」

 誰もが言葉を失う。
 国力比は帝国:同盟:フェザーンで4:3:3。
 フェザーンが帝国にくっつけば、7:3となって同盟は戦争に負ける。
 帝国の財政が破綻状態に置かれながらも維持できていたのは、フェザーンの財政支援がある。

「帝国が崩壊して乱世になった場合、帝国市場と安全な航路を失うというのが理由でしょうが、金で縛り付けて帝国を乗っ取るという事も考えていたとしても不思議ではありませんね。
 要するに、フェザーンの帝国乗っ取りが最終局面に来たという事なんでしょう。
 で、実態はどうであれ、フェザーンは『帝国の自治領』なのをお忘れないように」

 淡々としたヤンの言葉がかえって事態の深刻さを浮き彫りにする。
 それを確認した上で、ヤンは口を開いた。

「内乱の帰趨は帝国正規軍が一枚岩で動けるかにかかっています。
 固有武力に乏しいリヒテンラーデ侯では帝国軍が一枚岩に動くのは厳しい。
 良くて中立、悪ければ一部部隊の反乱軍側への寝返りという事態もありえるでしょう。
 帝国軍を一枚岩に動かす理由を我々が用意する必要があります」

 ヤンは各人のモニターに一つの作戦案を出す。

「帝国内乱時の混乱を理由にイゼルローン回廊制圧作戦計画を後方勤務本部より提案させていただきます。
 作戦部の審査が必要になりますが、これを機会にイゼルローン回廊の帝国軍拠点を制圧してしまいましょう。
 作戦の最終目標はアムリッツァ星域への到達。
 おそらく、ここまで来れば帝国軍はいやでも一枚岩にならざるを得ません。
 そして、一枚岩になった時点で、反乱軍の勝ち目はなくなるでしょう」

「どうしてそう言い切れるのか?」

 出席者から出た質問に、ヤンは想定していた答えを口に出す。

「軍というのは基本的に何も生み出さない金食い虫です。
 という事は、自分達を食わせてくれる政府に忠誠をつくさないと餓死してしまう訳で。
 食えないと分かった時点で軍が寝返るのはありですが、我々が一番恐れるのは内戦の長期化による治安の崩壊です。
 大量の難民と海賊が発生し、帝国辺境領
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