第35話 誰が為に戦う(1)
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光柱の中から、白い鎧を着込んだフロストエースが現界する。純吾の方を向き、次にその視線を追う。それだけでフロストエースは現状を理解した。
純吾の更に前に出て、アルフに対峙する。
「――アルフッ!」
一触即発の空気の漂う中、空からもう一人の魔法少女――フェイトがアルフのすぐ傍にまで降りてきた。アルフと対面する者の中、それも、後ろの方に純吾やなのはを認めると、無表情な顔に明確な非難の色を浮かべた。
「あなたは…。もう二度と、関わらないでと言ったはず」
「ん…。それでも、フェイトの事、心配」
純吾がそう言いながら、仲魔を掻き分けて矢面に立つ。なのはも杖を構え、桜色の翼で空を飛び、フェイトと対峙する。
「うん。私達、知りたいんだ。そんな悲しそうな目をしてる理由を…」
「はっ、それでこれかいっ! 口で綺麗ごと言って、あんた達が何をしようとしてるのかよく見てみなよっ」
純吾達の言葉を聞いて、間髪いれずにアルフも一歩前に出て咆哮する。
それはフェイトを守るためであり、甘ちゃんのこいつらなら、これで動揺するだろうという計算もある。
だが、言葉とは違いフェイトと敵対するような行為に、本当に怒りを覚えていた。
純吾はその言葉に携帯を握りしめる。その矛盾はよく分かる。一度は決心した事ではあるが、面と向かって言われると、これから、戦わなければならないと思うと。どうしても、迷いが出てしまう。
だが、もう迷わない。純吾がまっすぐにフェイト達を鋭く見つめ、なのはがさらに一歩前に出た。
「ちがうよ。綺麗ごとを言うから、フェイトちゃん達の本当を聞きたいから、私は本気でぶつかるの。
何度でも言うよ。私達にも叶えたい事があって、フェイトちゃんの事を知りたい。だから、関わるなって言われても、こうやって私はフェイトちゃんの前に立つの」
「あぁそうかい……。なら二度と、私達の前に立てないようにしてやるよっ!!」
その言葉が戦いの火ぶたを切った。アルフが踊り掛かり、フェイトが空中から突貫する。
3度目の対決が今、始まった。
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