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その答えを探すため(リリなの×デビサバ2)
第35話 誰が為に戦う(1)
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純吾の隣を歩きながら、面倒くさそうにぼやく。かれこれ1時間ほど、ずっと目を皿のようにしてジュエルシードを探していたため、背が少し痛くなっている。
 ぐぅっと両腕を上げて背中を伸ばしながら、彼女の前を歩くなのはの背に問いかけた。

「仕方有りませんよ、ジュエルシードは発動しなければただの綺麗な石でしかありません。それに――」

「分かってる。簡単に見つかるって事は、暴走が始まっているって合図なんだよね」

「うん。だから地道でも、僅かな魔力反応をしらみつぶしに確認していくしかないんだ」

 ユーノとなのはが立ち止まり、振返ってリリーの問に答える。こちらも少しだが、疲れが顔に見える。二人は魔力の残滓を確認しながらの探索のため、疲労のペースがリリーよりも早いからだ。

「はいはい、分かったわ。確かにこんな事、面倒事にならずに済むのが一番だもんね」

 そんな二人の様子を見て、伸ばしていた腕をそのまま降参とでもするようにしてリリーは答えた。自分より小さい二人がこうして頑張っている、それに答えないような彼女ではない。
 それに――

「ん…。怪我しないのが、一番」

 リリーの熱視線を一身に受けている純吾が最後に、それまで一人地面を見回していた顔を上げてそう締めくくる。視線に気づかれなかったリリーがむくれたように頬を膨らませるが、それも気が付かれていない。
 その様子に少しだけ笑いあうと、再びジュエルシードを探し始めようと歩きだす。
 
 だが次の瞬間、にわかに空が曇り始めた。

「これ…」

 突然変わった天候に、純吾が再び顔を上げた。ニット帽からのぞく目は、これから起こる事を思い自然険しくなる。
 そんな純吾達の思いなど無視するように雲は広がって行く。さらに、空を覆う分厚い雲を切り裂いて、何度も雷鳴が轟き始めた。

「ちょっと、雷が落ちるような天気じゃなかったわよ!」

「ユーノ君、これってっ!?」

 リリーも慌てて空を見上げ、すぐに原因に思い至ったなのはは肩に乗るユーノに確認をする。空を見上げるユーノは目を大きく見開き、信じられないといったように叫んだ。

「こんな街中で強制発動だって!? どれだけの被害が出ると思ってるんだ!」

 ユーノはすぐに地面に降り立ち、魔法陣を展開させる。
「広域結界、間に合え!」

 声と共に、世界が結界によって塗り替えられていった。分厚い雲もその結界の中に残っている。この天候の変化が誰によって引き起こされたか、一目瞭然であった。
 
 結界が視界の隅々まで行きとどくか否やという時になって、なのは達の前方に一筋の光が立ち昇る。それが意図的に暴走されられたジュエルシードだという事は明白だった。

 なのはは光を見上げて考える。どうして、彼女がこうし
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