15話
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応じてくれ、気のない風でグラビア雑誌を読んでいたランディも、よし、メシだなと気を取り直した。
ティオだけはまだ仕事があるので一区切りしたら手伝うと断って、3人は厨房で夕飯の支度を始めた。
ティオは生活用品の買出しに出た中で一人ロイドが遅かったことでなんとなくどこに行っていたか察した。
(わたしもこれが終わったら行ってみようかな)
そう決めつつ手を休めずに作業を続けているとようやく警察本部との回線が繋がった。セルゲイ課長から回線先を受付に指定されており、指令はそこを介して行われるとのこと。
この端末が使えれば一々警察本部に戻り指令を受ける必要がなくなるため非常に動きやすくなる。
明日までにこれを使えるようにしないと、それがわたしの仕事だから。
厨房で晩飯の準備をしていたロイドとランディは困っていた。
ランディは一人暮らしをしていたからそれなりの料理の腕がある。猟兵時代は食い物の管理は個人だろうが隊長だろうが重要でありモチベーションを長期間保つには美味い食事は必須だ。
携帯食料だけではどうしても飽きが来るから戦場で料理人など雇えないので自ら腕を振るう必要がある。野戦で食い物を入手する場合もあり知識や腕が生死を分けるのだ。
警備隊時代でも駐屯していた門には食堂があったが、野戦訓練でそれなりにやってきた。
不味くない程度で食えれば良いというのが料理の認識である。
ロイドもまた子供の頃からお隣のノイエス家に世話になってはいたが、それでも12、3の頃になれば自分で作ることが必要だと家事は一通り出来るようになっていた。ガイは基本的に仕事でいないので自然と身に着けたのだ。
料理に親しんでいるという程度だったが、その二人から見てもエリィの料理の腕は酷かった。
レシピ本もあるし簡単な肉料理なので焼くだけだからと安心して男二人はスープを作り始めたのだが、エリィが霜降りヒレ肉を塊のまま焼きはじめた時はどういうことだと。
書いてる通りにやったと言われてレシピ本を読むと確かに材料と調理方法が書いてある。
が、下拵えもせず肉を切り分けてない時点でレシピ通りじゃ全然なかった。
ずっとメイドか料理人に作らせていたなとお嬢様育ちのエリィの生き様を想像したのだが、同時にこれは一緒に作らなければ大惨事になるところだったとも思った。
「私、料理下手だったのね」
何が悪かったのか教えられ怒られて落ち込んでしまったエリィを見て、ロイドはすかさずこれから頑張っていこうと前向きにフォローしたのだが。
「ロイド、お嬢はさすがにちょっとまずいぞ」
「不味いとか言わないでよ」
不満気なエリィをなだめて肉を焼くよりもさらに簡単に出来るレタス剥きをさせてサラダ作りを指示するとランディと一緒にてきぱきと料理を仕上げたのだった。
そ
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