第73話 =世界樹攻略=
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たから…。行かなきゃならないってな」
男二人で顔を見合わせニヤリと笑う。すでにキリトも迷っていないらしい。ここで全てをぶつけるつもりだ。
「今までありがとう、サウス…そしてリーファ。ここからは俺とキリトだけで十分だよ」
「…リクヤ君……」
泣きそうな声で俯きながら名前を読んでくれるリーファの手を握って、離す。キリトが後退したのを見てから俺も後退し距離をとった。長いポニーテールを揺らして滞空する少女とその隣の巨大な盾を携え短い髪を風に靡かせるサウスに頭を下げて翅をたたんで一気に下降し、先を急いだ。
――――――
「キリト、ドームの場所わかってる?」
上空からものすごい勢いで走っているキリトを見つけ低空飛行で隣につきながら聞く。
「…ユイ、わかるか?」
「はい、前方の階段を上がれば……でも、いいんですか?今までの情報から類推すると…」
「確かにね。でも…それでもやらなくちゃいけないんだよ…な、キリト」
「あぁ…もうあと1秒でもぐずぐずしてたら発狂しちましそうだ。ユイだって早くママに会いたいだろ」
ユイは小さく頷き、その頬をキリトは軽くつつくと、目の前の階段を一気に登り始め、俺もそれに沿って上昇する。軽く減速させて足をつき、しばらく歩くとプレイヤーの10倍はあろうかという大きさの妖精型の石の彫像が2つ、目に入る。その間には華麗な装飾を施した石造りの扉が聳え立っている。
「……人いないな」
「多分、突破不可能っていうのが共通認識になってるんだろ」
「なら、ちょうどいいな」
「あぁ……待ってろよアスナ……」
キリトは自身に言い聞かせるかのように呟いていた。さらに歩くこと数十メートル、扉の前に立つと不意に石像が動いて扉の前で持っている剣を交差させる。そして右の石像から声が聞こえてくる。
『いまだ天の高みを知らぬものよ、王の城へ至らんと欲するか』
その声と同時に俺とキリトの前に最終クエストの挑戦意志を質問する選択肢が現れる。目をあわすことも、迷うことも無く同時にYesを示すボタンに触れる。
『さればそなたが背の双翼の、天翔に足ることを示すがよい』
声が聞こえると同時に左右の剣が離れていき扉の姿をはっきりと認識させる。そしてその大扉は中央からぴしりと割れ、轟音とともにゆっくりと左右に開いていく。その音はやはりコピー世界だからか今まで75回行われたボス攻略戦と恐ろしいほど似ており背中を嫌な汗が流れる。
「……よし!!」
ここでは死なない、という甘い考えを頬を叩いて振り払う。
「行くぞ、リクヤ…。ユイ、しっかり頭引っ込めてろよ」
「パパ……にぃ、頑張って」
「当たり前!」
胸ポケットにいるユイにガッツポーズを見せて
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ