第73話 =世界樹攻略=
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」
「ん、りょーかい」
返事をし、俺たち4人はこの都市の大通りを歩き始めた。
―――――――――
行き交う混成パーティの間を縫うように抜けて進むと前方に大きな石段と、その上に口を開ける巨大なゲートが。あれをくぐればいよいよ世界の中心のさらに中心『アルン中央市街』だ…というときにキリトの胸ポケットが動いたかと思ったらユイが飛び出してきて食い入るように上空を見上げている。
「お、おい…どうしたんだ?」
周囲の目をはばかるようにキリトが声をかけるがそれすらも無視し、その瞳は上空に向き続けている。
「ママ……ママが…」
「っ!?」
「マジ……か…?」
ユイの呟きに俺とキリトは顔を強張らせる。
「間違いありません!!このプレイヤーIDは、ママのものです。座標は……真っ直ぐこの上、この上空です!!」
それをきいたキリトは燃えるような目をし、顔は逆に蒼白になりながら歯を食いしばる。そして次の瞬間にはクリアグレーの翅がズバンっと空気を切り裂く音がし、砂煙を残して姿を消していた。
「あいつ…!!」
今のキリトは何しでかすか判らない、早く行って止めないと…という俺の気持ちに答えてくれたのかヴォルトの紫の翅も激しい振動をして身体を浮かせ、それを爆発させる。今まで以上の速さで上昇してると思うがいつもは何にも感じない雲が今は壁のようにキリトにたどり着こうとするのを邪魔していた。どうにかして雲を抜けた先には何度も障壁に体を打ち付けている妖精の姿が。
「キリトぉぉ!!!」
ようやく同高度に追いつき再度体をぶつけようとするキリトの腕を掴む。力では俺が勝っているはずなのに今の状況では負けているのかもと錯覚すらさせられる。
「ハァ…ハァ……落ち着け、キリトっ!!!!」
「行かなきゃ……行かなきゃいけないんだ!!だから止めるな、リクヤ!!!」
「っ……うるさいんだよ、この馬鹿!!」
「……っ!?」
俺も絶叫とともにキリトのがら空きな腹を思い切り殴る。肉弾攻撃のエフェクトがキリトの腹の中で爆発して、キリトのHPが少しだが減った。
「ぐぅッ……お前ぇ!!」
「今ここで焦ったってあいつを…あいつ等を助けれるって思ってるのか!!?」
「……でも俺は…行かなきゃならない……!!」
「俺だって行かなきゃならないよ!!ユイのおかげでいるって可能性が増えたんだから!!でもお前のその焦りが助ける手立てを潰すかもしれないんだぞ!!」
もし、これのせいでアスナやユカを助けることが出来なかったら須郷たちだけではなくこの世界、そして目の前にいるキリトすらも恨むかもしれない…それだけは嫌だから今は止める。
「……っ………悪かった…」
「わかったならいいけど…
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