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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十九章 開戦
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功した一同は固い拍手を交わした。
 身内の救出が成功した次は、これから本番の宇天の長の救出だ。
 セーランの元へ映画面が表示され、映るのは“日来”だ。
 背景は以前と違い、大気が吹き抜ける外の風景に変わっていた。
『新たな情報を得ましたので報告致します。解放場がある辰ノ大花の西貿易区域に結界系加護が張られています。そのため、真上からの飛び降りは不可能となりました』
「その結界系加護って辰ノ大花のだろ」
『はい、その通りです。結界系加護は辰ノ大花のものなので、発動者は辰ノ大花の誰かとなり、その誰かを倒せば解かれる筈です』
「実力者の誰かだよな、やっぱり」
 素直過ぎる考え方だが、思い付きは案外当たるものだ。
 結界系加護は厄介だ。理由は防御系加護とは違い、結界内に対象の侵入を拒むからだ。
 つまり今回、解放場の周りに張られているため解放場へとは近付けない。
 しかし、手がないわけでもない。
「解放場に入れないんじゃ元も子もないからな、ここは他方向から一気に攻撃を浴びせて無理矢理にでも壊すか」
 そう、幾ら結界と言えども阻むことの出来る限度は決まっている。
 どんなに頑丈な石であっても、威力は弱いがしかし連続で一点に水を当て続ければへこむ事と同じように、どんなに強力な結界も限度以上の阻みを起こさせることで自壊出来る。
 荒っぽい方法だが、案外使える手なのだ。
『これらのことにより西貿易区域近辺からの飛び降りとなりますが、宜しいでしょうか?』
「オーケー、他の連中にも報告頼むわ」
「了解致しました。すぐに飛び降りの時間となりますので、準備を済ませておいて下さい。――失礼致します」
 一礼し、映画面は消える。
 砲撃による爆音が響くなか、セーランは皆を先導するように全員が見える位置へと移動する。
 一息、肺に空気を取り入れる。
「それじゃあミーティングと行こうか。俺達、高等部三年一組は宇天長の救出に尽力を尽くす。無駄な戦闘は避け、まずは結界を解くことを最優先にすること。
 どうしても戦闘を起こしたい場合は覇王会戦術師のレヴァーシンクに、戦闘相手を報告することな」
「僕が学勢達の戦術を立てるから、よろしく頼むよ。社交院との連携で戦術は組まれるから、報告する時はちゃんとしてね」
 皆は頷き、了解の意を示す。
 確認し、セーランは口を動かし、
「結界が解かれたら俺が宇天長の所に行くから、お前達はそのための足掛かりになってもらう。宇天長の所に俺が着いたら、お前達の役目はそれまでだ。後は俺が何とかする」
「闇堕ちした学勢もいたけど、ここで学長のお言葉だ」
 この言葉に美兎の頬は赤くなり、セーランと交代するように先程まで少し離れていた榊が発言する。
 髭をいじりながら、目尻の下がった視線で皆を見る。
「本来なら奥州四
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