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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十九章 開戦
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が、問題は黄森も辰ノ大花も中心に立っている家系に子はいても親がいないということが問題なのだ。まだ若い者が地域を背負うという負荷は、彼らにかなりのストレスを与える。いかに周りの者達がサポートしてやれるかが重要だ」
「一児の親として気になるのですか?」
「気になっているのは物事にだけだ。本人なぞに興味は無いわ」
「冷たいんですね」
「何とでも言え。それにな、どれだけ手を差し伸べようと本人が差し伸べた手を掴もうとしなければ意味が無い。そんな時まずやるべきことは、本人が何故手を掴もうとしないのかを知らなければならない。それをするのは当然、俺達では無い」
 彼らの会話を吹き飛ばすように、日来に向かって砲撃が開始された。
 砲音が鼓膜を打ち、複数の戦闘艦により目苦しいく動き回る。
 ジスアムの予想通り、放たれた砲撃は的確に渡り道を狙っている。
 遠目にそれを見ながら、ライタームは話を変える。
「話しは変わりますが、ところで何故辰ノ大花を治める唯一の委伊達の者を、黄森は解放するのでしょうか」
「理由は分からんが、地域を治める者を無くし、そこへ黄森が入り込み辰ノ大花を支配するためか。それとも竜神の力を狙っているのか、だな。
 黄森は委伊達の者を解放する理由を、地元の者達を多く殺されたため。更には暴走する宿り主がこれ以上暴走したら、さすがの黄森も手に終えないと言う理由からだ」
「黄森の者達が殺されたのは去年の冬頃でしたね。何やら極秘に会議を設けていたという噂を耳にしましたが、何か知ってませんか?」
「その噂は調の艦長直々に聞いたな。どうやらその会議は黄森が辰ノ大花に何らかの協力を仰ぐものだったようだが、詳しくは分かってないらしい。分かっているのは委伊達家が所有する屋敷の一棟で、辰ノ大花の覇王会会長が暴走し、会議に参加していた黄森の者達“だけ”を虐殺した。ということだけだ。
 まあ、これにはさすがに面倒を見てきた黄森からすれば許せない事だろうな」
「そうですね」
「あの艦長の言うことが本当だが知らんが、解放した後に残る神人族と宿り主特有の魂の流魔結晶を国力強化のために使うとか。国際力の弱い神州瑞穂にとって良い選択だとは思うが、二度言うが本当かは知らんぞ。
 だが、独立宣言を出した日来がそれを阻もうとしている。黄森経由の報告によれば、奥州四圏の人形状態からの脱退を意味しているらしいが、問題はその後の動きだ。独立した日来は奥州四圏の協力無くして何をやろうというのか。そして、日来と交換する筈だった貿易艦隊の調はどのような動きをみせるのかだな」
「今現在、調は他勢力群|《イレギュラー》で大人しくしているようですが、結果次第では黄森に手を貸さなくなかもしれませんね。調は他勢力群のなかでもかなり上の勢力ですから、手を借りられなくなれば黄森は痛手を負うこと
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