暁 〜小説投稿サイト〜
神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第二十九章 開戦
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空間移動ですか。日来はアマテラスの協力を得たことになりますね」
「だが、あんなにも巨大なものを空間移動させたのだ。さすがの神も現実空間の干渉には相当の力が必要だからな、当分は力は貸せまい」
「世界のための情報収集って言う大義名分で来たわけですが、本当はジスアムさんの暇潰しですよね」
「それを言うなライターム、幾ら二印加奈利加の中心に立つ俺でも叱られることがあるのだからな」
「まさか貴方ともあろう御方が叱れるのが恐いとは、なかなか面白い話しですな」
「俺は真面目だからな」
 笑う二人をどうしたのかと護衛の社交員が数名、不思議そうに彼らを見た。
 それに気付いたのか、ジスアムは咳払いをし誤魔化す。
「それはさて置き、いよいよ世界が嫌でも動く時が来たようだ」
「黄金時代が完全にその息の根を止め、暗黒時代へと向かっている世界に、日来と言う各国の省かれ者達が集まる地がこれからすることは何なのか。とても興味深いものですね」
「省かれただけあって考えている事が分からんな。まあ、楽しくなるのであればそれでいいがな」
「叱られますよ」
「しまった、しまった。本音は言うタイミングを間違えると身を傷付けるからな、気を付けねば」
 すると会話の間に警報が辰ノ大花から響き、辰ノ大花の上空にいた戦闘艦は日来が現れた南西の海上に向かって動き出した。
 距離はかなり離れているが、ドレイク級戦闘艦の主砲ならば加護があれば容易に届く距離だ。
 だが砲撃はせず、日来を囲むような動きで戦闘艦の群れは動く。
 円陣による、多方面一斉攻撃を仕掛けるつもりなのか。
 いや、それは無い。
 何故ならばここから見ても日来の巨大さが伝わる程、日来の大きさは驚異的だ。多方面で攻撃を仕掛けるということは、特定の範囲に掛ける攻撃を削ぐ行為だ。
 ラグナロク級戦艦を上回る日来を攻略するには、一点集中による攻撃で地味でも確実に各船を潰す必要がある。
 もしかしたら黄森と辰ノ大花は、日来を潰すことはしないのかもしれない。
 日来は連結式の航空船。各船を繋ぐ渡り道を潰せば、後は離れ離れになった船を制圧すればそれでお仕舞いだ。
 思考を動かすジスアムは、物事を断片的ではなく流れで考える。その方が細かい事に気付き易いからだ。
 そして答えは出た。
「日来を潰す気は無いようだな。各船を繋ぐ渡り道を潰し、個々になった船を制圧する気か。しかし甘いなあ、その考えは。――甘過ぎる」
「黄森も辰ノ大花も実質、若者達が地域を守っていますからね。社交院はそのお供でしかない。
 将来のことを意識し過ぎた結果、多くの権利を持つ社交院であっても物事に関わりにくくなってしまった」
「奥州四圏は代々、地域を治める家系が存在する。その家系が地域を支配していると言っても過言では無い。それはそれで良いのだ
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