第10話
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ら進む。 高熱に焼かれた空気が陽炎を作るほどであった。
「甘いですわ!! そんなものが当たるとでも!!」
余裕をもってレーザーを回避したセシリア。 しかし、彼女が目にしたものはそんな余裕を吹き飛ばすものだった。
「……二人?」
目の前で起こっていることが信じられませんでしたわ。 レーザーライフルの一撃を避けて見た先には、二人の風音さんがレーザーライフルを構えているところでしたわ……。
その二人の風音さんは同時にレーザービームを放ってきます。 くッ! 巨大なビームは大きく回避しないとよけられないので、必然的に反撃ができませんわ!!
それでもなんとか二つの巨大ビームを避けきり、私が安堵のため息をつこうとしたその瞬間。
「弾幕の恐ろしさを見せるって言ったよ?」
風音さんの言葉と共に、さらにもう一発のビームが私の近くを通り過ぎます。
くッ! 回避が間に合いませんでしたわ。 直撃でないとはいえ、ビームの余波だけでシールドエネルギーを削って行くなんて……。
連射がきくような武器ではないはずなので風音さんを見てみると、
「増えて……!!」
正面に立つ風音さんの後ろから、滲み出すように風音さんが現れて【ハッシュ】を連射する姿がありましたわ。
二発、三発、四発と打つたびに現れる風音の数は増えていき、ついには風音の放つレーザー光がアリーナ全体を覆い始めた。 あまりの手数。 あまりの圧倒的暴力に観客達は息を呑むことしかできない。
しかし、こんな中にありながら、セシリアは決して直撃を受けてはいなかった。 代表候補生としての戦闘経験やら勘が働き、奇跡的な回避行動をセシリアに取らせていた。
「やる〜」
「くッ、直撃を受ければ終わりですわ」
身もすくむような超威力の兵器が薄皮一枚を貫いていくような感覚に若干の恐怖を覚えながらも気丈に回避行動をとり続けるセシリア。
「でもね、それは牽制用の攻撃だよん」
回避を続けながらセシリアはハッとした。 今の声はどこから聞こえてきたのか? と。
相変わらず続く正面からの砲撃の嵐。 それをどうにか避け続けているが、おかしいことが一つある。 正面の風音は浮かんでは消えていくのである。 そう、目の前の風音が全てである。
そこに先ほどの声の疑問が重なる。 ハイパーセンサーを通して聞いてもいまいち場所の特定がきかないその声に困惑してしまう。
「【ハッシュ】、――モード『ジャイアント・オブ・ゴットアーミー』」
その言葉が聞こえたのは偶然と言ってもいいだろう。 背筋に悪寒が走ったセシリアは、その勘に逆らわず回避行動をとる。
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