第三幕その四
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彼はリューに語りかけるようにして言った。
「よくお休み。そして生まれ変わり再び会おうぞ」
民衆が彼等の周りを取り囲んだ。カラフを支持していた者達だけではない。つい先程まで宝玉に目が眩んでいた者達も宦官達も、そして彼女を責め苛んでいた兵士達もその中にいた。
「気の毒な娘・・・・・・」
リューを見て誰かが言った。
「せめてあの世では幸せにな」
彼等は自分達の先程までの姿がたまらなく卑しく思えた。そして良心の呵責に攻められた。
「葬ってやろう」
宦官達が言った。
「そうだな。手厚くな」
そう言うとリューの遺体を持った。そしてティムールと共にその場を後にした。
「リュー、あの世ではせめて幸せに」
哀しい声が木霊していた。
「リュー、済まない」
後にはカラフとトゥーランドットだけが残った。彼はリューの遺体が運ばれていくのを見送りながら言った。
「もっと早くそなたの気持ちに気付いていれば・・・・・・」
彼もまた悔悟していた。自身の愚かさがリューを死なせてしまったと感じていた。
「だがそなたのことは忘れぬ。そしてそなたの想い、この身に受けよう」
そう言うとトゥーランドットと向かい合った。
「姫よ」
彼はトゥーランドットに対し声をかけた。
「リューに誓った。私は貴女の心を溶かしてみせる」
「何を戯言を」
彼女はカラフを睨み付けて言った。
「私はあのロウリン姫の生まれ変わり。私を穢すことは誰にも出来ない」
「違う、私は貴女を穢すのではない」
カラフは反論した。
「私は貴女のその氷の様な心を溶かす太陽なのだ。そして」
カラフは言葉を続けた。
「貴女はロウリン姫ではない。貴女は貴女、それ以外の何者でもない」
「いえ、それは違うわ」
彼女はそれでも尚カラフを睨んで言った。
「私のこの心は誰にも支配されない。何故なら私は永遠に清いままなのだから」
「そう、貴女の心は永遠に清らかなままだろう」
カラフはそれに対して言った。
「だが愛を知らないだけだ」
「愛。口を開けばその言葉ばかり」
彼女はうんざりしたように言った。
「そんなものがこの世にある筈がないというのに」
「それは違います。あるのです」
「では何処に!?」
「私のこの胸に」
カラフは一歩前に出て言った。
「では見せて御覧なさい」
トゥーランドットは言った。
「よろしいのですか?」
カラフは身構えるようにして問うた。
「ええ。貴方のその胸の中にあるもの、それが真のものならば」
嘲笑するように言った。そんなものがある筈がないと確信していたからだ。
「ならば」
カラフは歩み寄った。そしてトゥーランドットを抱き寄せた。
「無礼者、何をするのですか!」
彼女はそれに対して叫んだ。
「貴女は
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