第4話 楽園の塔に降りた英雄2
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よりも皆。」
「ん?どうしたんだよショウ。そんなに改まって。」
「実は僕、提案があるんだ。」
「「「「「提案?」」」」」
何だろう?その提案は?
俺はショウがその提案を言った時、自分の耳がおかしくなったと一瞬思った。
「うん、その提案は……皆でここから『逃げる』ことだよ。」
「はぁ?」
「つまり、それって……」
「にゃあー?」
「ショウ、お前まさか…!」
「『脱走』するということか!?」
「うん。」
「おいマジかよショウ!?」
「もしばれでもしたらどうなんだよ!?」
「大丈夫。もう抜け道は作ってあるよ。」
「ショウ…。」
ショウが言い終わると、エルザとミリアーナは意味が分かったのか、震えていた。
けど、決してこの二人が弱虫というわけじゃない。
今まで何かといえば鞭をうたれ、傷つけられた。怖がるのは当然の反応である。
そう思いながら俺はショウに聞いてみた。
「ショウ、それは100パーセント成功するのか?」
「大丈夫だよ。神官の誰にも抜け道の事は張れてないよ。」
「ショウ…」
「それに僕、もうこんな生活は嫌だ!毎日重い石を運んでは積み立てる。ミスをすれば鞭で打たれて、何もしなくても鞭で打たれる……。こんな生活はもうまっぴらだ!」
ショウはそう言いきった後、目に大粒の涙を溜めた。
毎日が苦痛な日々。自由のない日々。いつ殺されるか分からない日々。
俺達もショウと同じ日々をおくってきたから、気持ちは痛い程分かる。
だから、俺はショウの意見に賛成だ。しかし、周りの皆が承諾してくれないとこの脱走の意味がない。
「「「「「……。」」」」」
皆も黙ってしまった。皆も俺とショウと同じ意見かもしれない。
けど、失敗するとどんな目に合うか分からない。下手すれば死ぬかもしれない。
皆がそう思った。
しかし、ここでシモンの一言により、その不安も消しとんだ。
「俺はのるぜ、その話し。」
「シモン!?」
シモンはその口に笑みをうかべていた。
「どうせこのままじゃ一生やつらに奴隷としてこき使われんだ。
ここで一発賭けんのも悪くねぇ。 」
「…なら、俺もだ!」
「にゃあー。ウォーリーが賛成なら私も。」
「お前ら…。」
どうやらこの三人は賛成らしい。
残りはエルザのだけだ。
「エルザはどうなんだ…?」
「……。」
どうやらかなり迷っているようだな。本当は行きたくはない。けど、皆が行ってしまうといったところか。
俺はエルザに一つの提案を言おうとした。
「エルザ、別にむりしなく「ジェラール。」…なんだ?」
「ジェラールは、脱走について賛成なの?」
「…あぁ。賛成だ。」
「そう……なら、私も行く。」
「エ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ