第三幕その三
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「しかしその名は決して言いません。それは私の胸の中に深く秘めておきます」
懸命に振り絞る様に言った。
「まだそのようなことを」
トゥーランドットはその細い整った眉を顰めた。
「ならばその身に聞くまで」
右手をサッと上げた。それは肩のところで止まった。すると兵士達が動いた。
「止めろ、罪の無い者に何をする!」
カラフはリューの前に出て彼女を守ろうとする。しかしそれは叶わなかった。
「捕らえなさい」
トゥーランドットは兵士達に対して言った。彼等はすぐにカラフを捕らえた。
「くっ、離せ!」
「殿下!」
カラフはそれを必死に振り解こうとする。リューは彼のそんな姿を見て思わず叫んだ。
「さあ言うのです」
リューは兵士達に押さえられた。そしてトゥーランドットに詰問される。
「言いません!」
リューは叫んだ。
「やりなさい」
トゥーランドットは兵士達に対して言った。羽交い絞めにしている兵士が彼女の腕をねじ上げた。
「ああっ!」
リューは悲鳴を上げた。
「止めろ、そんなことをして何になる!」
カラフは捕らえられながらもまだ言った。
「そうじゃ、やるならこの老いぼれをやるがいい!」
ティムールが叫んだ。だがトゥーランドットの詰問は続いた。
「言いなさい」
彼女の冷たい詰問は続いた。
「言えば貴女は解放されるのですよ」
他の者は何も言えなかった。皆トゥーランドットに気圧され沈黙してしまっていたのだ。
「もう耐えられない・・・・・・」
リューは額から汗を流しながら言った。
「終わりのようですね」
トゥーランドットはそれを聞いて氷の様に冷たい微笑を浮かべた。
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