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ソードアート・オンライン〜一人の青年と吸血鬼の少女は…………〜
The beginning The end
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人。
そして、《イルファング・ザ・コボルトロード》の周りを駆け続け、すれ違うたびにソードスキルを発動させてダメージを与え続ける。


「お前様っ!」
「ああっ!」


二人は互いに自分の得物を投げ、投剣スキル《シングルシュート》を発動させ、ダメージを与えた二人はさらに新しい剣を具現化する。
《イルファング・ザ・コボルトロード》は最後の足掻きと言わんばかりに刀三連続ソードスキル《緋扇》をさせるが、麗矢によって3回とも弾き防御(パリィ)される。
受け切った麗矢はメリーを見て、合図をすることもなく二人は並んで駆け出し、麗矢は《ホリゾンタル》をメリーは《リニアー》を発動させて一気に斬りかかる。


「グォオオオオオ――――!!!!」


攻撃が命中し、体力(ライフ)バーがすべて削られる。
麗矢とメリーは6時間近くも死と隣り合わせの戦いを続けていたため、体力、精神共に限界を迎えていた。
《イルファング・ザ・コボルトロード》は断末魔の叫びにも似た悲鳴をあげ、ポリゴン状となって空中に霧散していった。


このデスゲームの中で2か月経っても突破されることの無かった第1階層が立った二人によって突破されたことは、瞬く間にはじまりの町中に広がり、人々に僅かな希望を与えた。
だが、一部ではベータ上がりとベータテスターを非難するような声も少数だが上がってきている。
たった二人でのフロアボス撃破。
人に希望を与え、また人に蔑まれて。イレギュラーの存在だったが、他人によってベータテスターになり、ビーターになった。
これは麗矢にとっていいことであった。


人と馴れ馴れしくなることもないし、余計な手間も省けて足手まといもいなくなる。
この出来事はニュービーとベータテスターとの間に大きな亀裂を作り、その溝は埋まることはなかった。
特に麗矢たちとの溝が一番深かった。


      ◯


あれから2年。
麗矢にはハンドルネームからそのまま二つ名《死に神》が、メリーも同じようにハンドルネームから二つ名《魔人》がつけられていた。
現在の攻略層は74層。生存者は約六千人。
誰とも関係を持つことなく、麗矢とメリーはたった二人で生き抜いてきた。
フレンド数――――0.


結婚コマンドもあったが、麗矢とメリーはそんな関係ではない。主であり従者。
この関係は崩れることは一度もない。








      ――――まだ、もとの世界に戻ることはできない…………






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