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気合と根性で生きる者
第五話 同盟
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分からない勝だったが、白夜叉も本人の意思なら良しと考えたのか、あっさりとガルムを隷属することになった。などという、拍子抜けにも程があるエピソードがあった。

「馬鹿な。それこそ、またオーディンを食い殺さなきゃいけないんだぞ?」

「いいえ。オーディンは最後です。まずはその息子のヴィーザルを食い殺し、その後にオーディンを食い殺します。そうすれば、伝承通りにはならない。更に言えば、ガルムはフェンリルのような神々の災い≠ネどという称号ではなく、神殺し≠ニいう称号が与えられるでしょう。そうなれば、最低でも神格保有者全てを容易に倒すことは可能です」

「――ッ」

 ルイオスが絶句する。今まで話に入れていなかったウィラですら、大きく目を見開いて驚きを示していた。

「マーシャル、ちょっといいか?」

「ん? どうしたの?」

 二人が驚いている中、マーシャルの側近であるピエールが話に割り込む。ここで話に割り込むのはそれなりに重要な案件かもしれないと思い、マーシャルがピエールの方に顔を向けると――何やら、ピエールは複雑な表情をしていた。

「まさかとは思うが――二つ目の封書を見てないんじゃないだろうな?」

「――あっ」

 マーシャルは小さく声を上げて、ポケットに入れたままになっていた封書を取り出す。一枚目は既に開封されていたが、二枚目のものは未開封の状態だった。

 それを見て今、白夜叉の言っていたことを全て思い出した。それと同時に、マーシャルは納得したように一人で頷く。

(なるほど。確かに、これはノーネーム≠フメンバーに見つかってもバレそうにないな。これなら、心置きなく祭りを楽しめる)

「・・・・・・今は何も言わねぇ。とりあえず、それを読んでくれ」

 ピエールは呆れた様に溜息を吐く。それを聞いて「分かったよ」と返事をして封書の封を開けると、その中もやはり一通の手紙が入っていた。何が書いているのかと、とりあえず目を通してみると――

『前略 勝殿へ。
 私は今、ガルムとしての霊格を上げる為、白夜叉様から頼まれた案件に全力を尽くしています。どうやらサウザントアイズ≠ノ保管されていたオーディンの眼≠ェ内部に居る者の手によって盗まれてしまったらしいです。それも、その盗んだ人物はずっと先の先祖がオーディンだとのこと。白夜叉様からも場合によっては食い殺して良いとの伝令を受けていますので、問答無用で食い殺して霊格を上げる事にします。
 それでは、私からの報告は以上になります。同盟の話、上手くいくことを祈っております』

 と、文章はそれで終わっており、比較的に短い物ではあったのだが――マーシャルは頭が痛そうに米神を押さえる。

「ねぇ、ピエール」

「何だ?」

「もしかして、さ。
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