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気合と根性で生きる者
第五話 同盟
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・・・・・・どうやって、手に入れるつもりだ?」

「太陽神を潰します」

「・・・・・・は?」

 ルイオスが気の抜けた声を返す。しかし、それも当然の事だった。

 何故なら今、マーシャルは平然と「太陽神を潰す」と答えたのだ。まったく違和感なく、やってのけるのが当然だと言わんばかりに。

「何を間抜けな声を。僕たちはエクリプス≠ナすよ? それにこちらの主力には隷属させたガルム――フェンリルが居る。ならば当然、その眷属のスコルとハティも使役している筈です。中層までの太陽神なら、訳なく倒せます」

「――ッ! フェンリル・・・・・・だと?」

 ここで初めて、ルイオスが明らかな動揺を見せた。太陽石≠ナはなくフェンリル≠ニいう単語に、明らかな動揺を見せていた。

(馬鹿な。フェンリルといえば、軍神テュールの右腕を食い千切っただけでなく、その後ラグナロクでオーディンと対峙し食い殺した神々の災い・・・・・・! どう見積もっても、明らかに上層クラスの・・・・・・下手をすれば、3桁並の化け物だぞ!?)

 いや、とルイオスは考え直す。先ほど、マーシャルはガルム≠フェンリル≠ニ置き換えて言った。つまり、それは元がガルム≠ニいう伝説の方が強く反映しているのだとすれば――

(ブラフ? いや、ガルム≠ニフェンリル≠ヘ同一視されることが多い。だけど、その二種では伝承に大きな差がある・・・・・・。ガルムは軍神テュールと相打ちになり、最高神オーディンを殺したとは言われていない。逆にフェンリルは軍神テュールの右腕を噛み千切ってはいるものの、テュールを殺したという伝説はなく、代わりに最高神オーディンを殺したという伝説が・・・・・・)

 格で言えば、明らかにフェンリルの方が上。しかし、もしこれらがこの箱庭で同一視されるものだとしたら――その力はまさに、神々の災いといえるほどのものだろう。

 しかし、肝心のガルム≠ネのかフェンリル≠ネのかという部分に置いては、ルイオスがいくら考えても分からない。だからこそ、ルイオスは自分から口を開くしかなかった。

「・・・・・・そいつは、ガルム≠ニフェンリル≠ヌっちの伝説が大きく反映されている?」

 ルイオスから初めて質問――交渉の余地ありという反応が返ってくる。マーシャルはそれを見て、いつもの営業スマイルで答える。

「ハッキリ言えば知りません。しかし、僕が白夜叉さんから受けたときは軍神殺しの番犬≠ニいうギフトゲーム名でした。この事から恐らく、ガルムの方が大きく反映していると思われますが――僕は、ガルムをフェンリルより更に上へ、昇華させようと思っています」

 余談だが、ガルムを隷属出来たのは白夜叉の意思ではなく、ガルム本人からの要望だった。何故そうなったか
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