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気合と根性で生きる者
第五話 同盟
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いたわけではない。ましてや、この醜態を見られたんじゃないか、などと思っている訳でもない。

 問題は、少女の声がするまで、ピエールと勝の両方がその少女の接近にすら気付かなかったことである。馬鹿をやっていたとはいえ、この小さな声が聞こえるまで近づかれれば普通は気付く。なのに、気付けなかった。

 勝は怪訝そうな顔をしながら、目の前にいつの間にか立っていた少女を見る。

 華の蜜の様に甘いベビーフェイスと、薄いウェーブを引いたツインテール。幼さの際立つ容姿に見合わないほど蠱惑的なボディライン。身長は勝とあまり大差がないにもかかわらず、女性的な膨らみのある乳房持ち、黒と蒼のレースで飾られたゴシックロリータの服は際どいシースルーで胸元と美脚を惑わしている。

 こちらに掛けた声とこの柔らかい雰囲気からして、恐らく敵意は無いのだろう。しかし、正体が分からなければ警戒を解くことは難しい。

「・・・・・・・・・頭、大丈夫?」

「これが大丈夫に見えるなら、ある意味大物ですよ。それで、これはもしかして貴女の仕業ですか?」

 コクン、と頷く少女。

「はぁぁ〜・・・・・・悪戯は程々にしないと、後で痛い目みますよ? 例えば」

 ズガシュ!

「こんな風に。これで今回のことはお互い不問にしましょう」

 ニコニコといつもの胡散臭い笑みを浮かべる勝。今、何をやったかと言えばそれは簡単。勝は少女の注意を自分にひきつけておきながら、後ろ手に隠し持っていた金槌をその状態で回転を加えて投げ、少女の脳天に見事にクリティカルヒットさせたのだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うん」

 コクリ、と無表情のまま頷く少女。流石の少女も、やり返されたせいで反省はしたのだろう。明らかに長い間が、その証拠である。

「貴方は、マーシャル?」

「そうですけど・・・・・・そういう貴方は?」

「今回の同盟相手のウィル・オ・ウィスプ≠フリーダーのウィラ=ザ=イグニファトゥス様だ。マーシャル、アンタもうちょっとこの世界の常識を取り入れてくれ・・・・・・」

 答えは目の前の少女のウィラからではなく、ピエールから返ってきた。

「へぇ・・・・・・ま、とりあえず中に入りましょう」

 そう言って、今度こそ建物に入る為に足を運び、そのまま同盟会談の為の一室に入るのだった――










 古臭い宿の一室。そこでは今まさに、三つのコミュニティが同盟会談を始めるところだった。

「それでは、同盟会談ということでまず一つ。お互いに自己紹介をしましょう。僕はエクリプス<梶[ダーのマーシャルで
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