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気合と根性で生きる者
第五話 同盟
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談のような大切な話をするときは、むしろこう言った目立たない場所での方が良いのかもしれない。

 一人で頷いて一人で納得し、古びた宿のような建物に入ろうと今まさに足を――

 ズガシュ!

 運ぼうとしたら、突然何かが頭の上に落ちて激しい頭痛に見舞われる。その反動なのか、勝は地面に倒れ、痛みのせいで呻き声を上げながら地面をのたうち回るという醜態を晒す羽目になる。

 涙目で脳天に手を当てながら、今先程自分の脳天をストレートにかち割ろうとした何かが地面に落ちていないか見てみると・・・・・・すぐ目の前に、十字型で先端が丸い鈍器が――もとい金槌が転がっていた。

「どうした?」

「いや、何かこの鈍器が僕の脳天を真っ二つに割ろうとして」

 ズガシュ!

「きたんだけど、今の故意だよね? ねえ故意だよね? 二度目なんて偶然じゃないよね!? やった奴にはこれを顔面にクリティカルヒットさせてもいいよね? ねえいいよね? 何なら、脳天本当に真っ二つに割って脳みそ抉り出して闇市に流してもいいよね!?」

 壊れたような声で、しかし明確な敵意と殺意のようなものを込めた声で連続して訊かれ、隣に居たピエールはその不気味さのあまり勝から無意識のうちに距離を取っていた。 

「さ、流石に脳みそを抉り出すのは・・・・・・せめて、二倍の報復に止めていただかないと、エクリプス≠フ評判が――」

「あ、そっか。これが太陽神の仕業なら殺す理由がつけられるね! うん、太陽神なら殺そう! 絶対に殺そう! 死んだ後も殺そう! 魂ごと消滅させよう! あの紫外線で僕を自宅警備員予備群にした恨みを今晴らさなければいつ晴らす!? もちろん、今でしょ! さぁ、さっそくラーでも殺しに行こうピエール!」

「まて待てマテ! 流石に犯人が判明していないのにそれは不味いだろ?! せめて決定的な証拠を掴んでからじゃないと大義名分何てたてれねえ――ってか人の話聞けやこのダメリーダーが!!」

 ピエールは壊れた勝の頭に先ほど落ちてきた二個目の鉄槌で、彼の頭に思いっきり殴りつける。それこそ、本当にスイカを割るかの如く思いっきり殴りつけた。

「――ッ!?」

 声にならない悲鳴を上げて、勝はその場を激しくのたうち回る。服が汚れるだの頭に砂と埃がつくなど知ったことではない。痛いものは痛いし、こればかりはのたうち回らない限り、この痛みをやり過ごす事など不可能だ。

「・・・・・・・・・大丈夫?」

「「――ッ!?」」

 突然の見知らぬ少女の声に、勝は今までのことが嘘のようにその場から飛び退き、ピエールは臨戦態勢を取る。いきなり動いたことで頭痛が酷かったが、二人を支配している緊張感のおかげで耐えることが出来た。

 別に、二人は声を掛けられたことに驚
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