第五話 同盟
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「ねぇ、ピエール。少し聞いてもいいかな?」
「知っている限りは答える」
街道を進む中、勝は意を決したような表情で、深呼吸をしてピエールに訊く。
「今回のそっちが見つけた同盟相手って――何処?」
「あぁ、そんなことか。てか、アンタは仮にもリーダーなんだからしっかりしてくれよ」
はぁ、と溜息を吐くピエール。しかし、次にはしっかりとした表情で勝の質問に答えた。
「俺らが見つけた同盟相手は、ウィル・オ・ウィスプ≠チていうところだ。実力は確かな上に製作技術も並ではないんだが――ちょっと厄介な奴に狙われているらしい」
「あぁ、あの展示会場にも作品を出展していたあのコミュニティなんだ。――で、厄介な奴って?」
「マクスウェルの魔王」
少しは驚いて考え直すだろうと思い、ピエールはそう言うのだが――
「あっそ」
「おい!? そこはもうちょっと反応しろやコラ! てか、魔王をあっその一言で終わらせるか普通?!」
結果、返ってきた答えは「どうでもいい」と言わんばかりの一言。驚かせようと思っていたのに、逆に驚かされてしまったピエールには、策士策に溺れる、という言葉がピッタリだった。
「そんな聞かない三流魔王の名前を言われても、逆に反応に困るよ。僕を尻込みさせてみたいなら箱庭三大問題児でも連れてきてほしいな。あと、マスクメロンの魔王って、名前ふざけてるよね?」
「――あぁ。アンタの許容範囲が今ようやく分かった。魔王に狙われていることが、アンタにとってそこら辺に落ちているゴミのような事だとよく分かった。今度から有名な魔王以外は無視するぞ。それと、マスクメロンじゃなくてマクスウェルだ!」
「うん、それでいいよ。あと、名前とかどうでもいいよ。でも、天照とか、ラーとか、インティとか、ホルスとかアポローンとかルーとかケツァルコアトルとかソルとかインドラとかヴィシュヌとかなら考慮に入れてね」
「全部太陽神じゃねえかオイ!? どんだけ太陽に恨みもってんだよ?!」
「あの真夏の紫外線のせいで日焼けしてヒリヒリと超痛くて、それ以来自宅警備員になりかけた恨みは深いよ。うん、もう海より深い自信はあるね」
「・・・・・・アンタ、自分のダメ人間歴を暴露してるぞ」
呆れ果てるピエールに、おどけてトークをする勝。
そんなふざけたトークを歩きながらすること十数分後。二人は当初の目的地へと到着し、現在はその建物の前へと佇んでいた。
「ここで、ウィル・オ・ウィスプ≠ニペルセウス≠ニ僕たちのエクリプス≠ナの同盟会談をするんだっけ?」
目の前には、古びた宿のような建物。誕生祭とは別の裏通りにあるためか、随分とみすぼらしく見えるのだが――同盟会
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