第九話 王と謁見か……まさにファンタジー
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い視線を送ってくるポニーテール所持者がいるんだが……殺されないよな?
いきなり後ろから切りかかられそうな感じがする。
闘悟は警戒しながら城へと向かう。
宮殿はやはり大きい。
まさに白亜(はくあ)の宮殿と呼ぶのに相応しい建物だ。
闘悟は客間に案内され、ここでしばらく待っているように言われた。
すると、しばらくしてメイドらしき人が現れた。
メイドが言うには、王の間まで来てほしいとのことだった。
ということは、これからこの国の王、つまりグレイハーツ王に謁見(えっけん)するということだ。
闘悟は事態を素早く理解して、王の間に案内された。
「ほう、本当に黒い髪に黒い目だな」
声を出した人物を見て最初に思ったことは、若いなということだった。
玉座に座っているので王には違いないだろう。
だが、外見は二十代だ。
とてもクィルのような娘がいるとは思えないほどの外見をしている。
闘悟が黙って観察していたせいかは分からないが、王はフッと笑って答える。
「いや、悪い。どうか楽にしてくれていい。俺もその方がいい」
片膝をついていた闘悟は言葉通り、楽にしようとそのまま立ち上がる。
「ふむ、クーに聞いたが、危ないとこを救ってくれたんだってな?」
クー? ああ、クィルのことだな。
「はい、まあ成り行きで」
「ついでにパムのために『フワの実』まで見つけてくれたそうじゃないか」
「……パム?」
「ん? ああ、クーのペットだよ」
ああ、世話してるって言ってた生物のことか。
「ところで、タイガラスを一発で倒したと聞いたんだが?」
王の目がキラッと光る。
子供がおもちゃを見つけた時のような目だ。
「ええ、まあそうですね」
「しかしよ、どうも信じられないんだよな。見たところ、冒険者には見えねえ。というか、戦いに準じる者には到底思えねえ。それなのに、あのタイガラスを一発で吹き飛ばした。…………一体何者なんだお前さん」
「答える義務は無いと思いますが?」
「き、貴様っ! グレイハーツ王の前だぞ!」
知ってるよ。
でもよ、王の前だから何だっての。
「オレはこの国の民じゃない。王に屈する理由は見当たらないが?」
「な、何だと……?」
さっきから声を掛けてきてたのは、やはりミラニだった。
闘悟の発言で、今にも飛びかかって来そうな勢いだ。
「まあ待てって」
制止をかけたのは王だった。
「で、ですが!」
「確かに、得体が知れない男だが、クーを助けてくれたのも事実だ。下心があっても無くってもな」
闘悟は苦笑する。
この王は、
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