2話 林道 五也side
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足に衝撃を感じ、目を開くとそこはさっきまでの和室ではなく、フローリングのかなりの広さがある一室だった。
一通り見たとこ、どうやらマンションの一室であることがわかった。
それ以外にも自分の体が小さくなり、外見が少し水色がかった銀髪と青い目になり、顔も変わっていることからどうやら本当に転生をしたらしい。
「嘘くさいと思っていたんだが……」
思わず口から独り言が漏れた。
次に特典というものが本当にもらっているのかを試すことにする。
とはいえここは室内攻撃系を試すわけにはいかないので、試すのは回復補助系になる。
と言うわけでまず台所にあった果物ナイフで左の親指を軽く傷つける。
「ッ」
軽くとはいえ痛いものはやはり痛く、傷口からじわりと血が滲み出す。
「聖なる活力、此処へ、ファーストエイド」
同時に体を淡い光が包み、傷が見る見るうちにふさがった。
「こりゃ凄いな」
口調こそ抑えてはいたが、テイルズファンの俺は内心かなり浮き足立つのを感じていた。
そのままあれこれ試してみたい衝動に駆られるが、それよりもまずこの街で生活する以上主要な施設は見て回りたい。
それに何故かここにいなかったバカ2人とも合流するべきだろう。
あの2人がそう簡単にくたばるとは思えないが、周りに迷惑をかけない保証はない以上早めに合流した方がいいだろう。
そう考え街へと向かう。
▼▼
街を一通り巡り情報が集まったとこで落ち着けそうな公園に腰を下ろす。
まずここは間違いなく日本であることがわかった、それは問題ない。どころか大助かりだ、日本語しか喋ることができないので、国外なら絶望していただろうからだ。
日用品を買えそうな場所もだいたいは把握できた。
街を歩いているとやたらと、何かを探してるような銀髪オッドアイを見かけたが、これは関わらなければいいだろう。
問題は目の前にあった。
「なあ、頼むってこの通り!」
目の前にかなりの勢いで頭を下げている、黒目黒髪で無駄に元気そうなバカっぽい雰囲気の今の俺と同年代ぐらいの男がいるとこだ。
何故俺はあの2人と言い、こうもバカな雰囲気の奴に絡まれることが多いんだろうか。
「だから何で俺がそんな事しなくてはいけないんだ」
「ん? ああだったらもっかい説明すっからさ、ちゃんと聞いててくれよ」
(そういう意味ではないんだがな)
口に出さなかったのはこの手の人種がどこまでもマイペースなのを知っているからだ。
「ほら、あそこ見てくれよ」
そう言って指さした方を見れば、同じようなベンチに座り泣いている茶髪ツインテールの少女の姿がある。
「泣いてる子がいるだろ」
「いるな」
「何とか
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