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リリカルなのは 3人の想い
2話 林道 五也side
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笑わせたいんだけど、俺その手の才能無いみたいでさ。手伝って欲しいんだって」

 どうやらあの2人を越えるお人好し、もしくは放っておけない病のようだ。

「何で俺が手伝わなきゃいけないんだ」

「いいじゃん暇そうだし、それに同じ転生者のよしみって事でさ」

 ピクリと眉が動くのを感じた、ただのバカかと思っていたがどうやら観察力は馬鹿にできないようだ。

「何でそう思う?」

 他の転生者に関わるとまともなことになりそうにない以上、転生者としての特徴があるなら今のうちに何とかした方がいいだろう。

「え? だって銀髪じゃん」

 訂正、かなり当てずっぽうだったようだ。
 とはいえこの銀髪が目立つのも事実だ、染めた方がいいかもしれないな。

「それだけで転生者とは限らないだろう」

「そうか? あっ! でも否定しなかったし転生者ってのは当たってるんだよな」

 ちっ、こういうとこだけ鋭いのはあの2人と同じだな。

「さあな」

「まあ、何でもいいから手伝ってくれよ」

「おいこら! 手を引っ張るな!」

 とぼけるも強引に茶髪少女の元へと引っ張って連行されてしまった。

「……く、……うう」

 斯くして嗚咽を漏らし、すすり泣いている少女の前に来たわけだが、

「なあ、あんたなんか面白いことできない?」

 それは明らかに最初に聞くべきだろ。

「無理だな」

「そういわずにさあ、ほら何でもいいんだって、俺なんて変顔とか一発ギャグとかやったのに全部スベったんすよ」

「別に失敗を恐れてやらないわけじゃない、ただ単にそのての事が得意じゃないだけだ」

 そういうのは他の2人が十二分に役割を果たしていたからな。

「かーっ!クールっすね!」

「クールじゃない、他に比べて少し冷静なだけだ」

 バカ2人がやたらと騒がしいせいでな。

「それで何でこいつは泣いているんだ」

「え?」

 おい、え?ってなんだよえ?って。

「まさか聞いてないとか言わないよな」

「聞いてないっす!」

「断言するな」

 まずそこからだな。
 逃げるのはもう諦めている、この手の奴は一度相手にするとどこまでもつきまとってくる、ならばここですぐに関係を終わらせるのが賢い行動だろう。

「なあ、あんたは何で泣いているんだ?」

「…………放っておいて欲しいの」

「にしては、さっきから俺たちが目の前でわざとらしく小声で話していたのに逃げなかった辺り、慰められるのを待っていたんじゃないのか?」

「っ……そんなこと……」

 否定に力がない所を見ると外れてはいないだろう。

「何か悩んでたんすか? だったら俺に相談して欲しいっす!」

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