『転生。 或いは、交差する赤と紅』
EP.01
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変態だった。
……だが、そうだったな。 これが俺だ。 俺たちだ。
俺も、お前らも、ともにエロスを胸に刻んだ変態男子だ。
「わーったよ!! 今日はとことん、枯れ果てるまでエロDVDの鑑賞会だっ!!」
「おおっ、それだ!! それでこそイッセーだ!!」
「その意気だ、イッセー!! 俺たちと素晴らしい青春を謳歌しようではないかっ!!」
半ば自棄になって叫ぶ俺に、追随して盛り上がる変態二人。
この際、夕麻ちゃんの件は保留で構わないだろう。
思いつめても仕様がないし、この鬱な気持ちから抜け出すためにも息抜きは必要だ。
そうやって俺たち三人が結束を新たにしたそのときだった。
「おはよう、伊織」
「うん? ああ、部長じゃないか」
俺の視界に、色鮮やかな深紅の髪がふわりと揺れた。
おはよう、と。
桐原先輩が挨拶を返した相手は、腰に届くほどの紅い長髪が印象的な北欧系の美少女。
リアス・グレモリー。 おっぱいがいっぱいな駒王学園三年生。 巨乳。
桐原先輩の級友であり、俺たちにとっては先輩にあたる駒王学園のアイドルの一人。
日本人離れしたスラリと細い身体に、健全たる男子諸君の視線を独占する豊満なバスト。
気が付けば誰も彼もが、彼女に視線を集めていた。 男子、女子に関係なく。
あるものは歩みを止めて、またあるものは友人とのおしゃべりを止めてまで。
―――美しい。
彼女のことを一言で表わすのなら、まさにそれだ。 他の言葉は不要だろう。
この場に居合わせたすべての生徒が彼女を一目見るためだけに振り返る。
それほどまでに彼女の存在感は圧倒的だった。
そうだ、俺も彼女に夢中になっていた。 その美貌に、その高貴な雰囲気に。
ふとその姿を見かけるたびに、その時していた行為を投げ出して彼女に魅了されていた。
けれど。
けれども。
この頃、彼女に魅入るその感覚に変化が生まれた。
確かに、彼女は美しいだろう。 しかし、それだけか? 本当に?
心の片隅で何かが囁く。 怖い。 恐ろしい。
何故そんな感情をリアス先輩に抱くようになったのか。 判らない。 判らない。
けれど、はっきり判ることもある。
俺が、彼女を畏怖するようになったのは夕麻ちゃんの存在が消えてからだということだ。
そのとき、ふと気付く。 見つめている。 リアス先輩の碧眼が、俺の事を。
―――っ!!
その一瞬に、俺は何かが心を締め付けるような感覚に陥った。
なんだ、これは。 この感じは。
まるで、巨大な肉食獣と対峙したかのようなしているかのような錯覚に、俺は支配されていた。
そんな俺を見つめて、リアス先輩が少しだけ口元に笑みを浮かべる。
何故、俺にそんな表情を向ける
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