第3話 楽園の塔に降りた英雄
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…おい!しっかり働け!
…手を休めんじゃねぇよ!オラァ!
ピシィィン!
…ガァッ!
ピシィィン!
…だれか…助けて…
(何だ?この胸くそ悪いやりとりは?)
俺は確か、あの場所から転生したはずだ。
つまり、今生きているということは成功したということか。だけど、転生した瞬間にこんな悲鳴やら叫び声やら、どんな場所に転生したんだ?
まぁ目を開けないからには始まらないか。
そう思い、俺は目をあけた。そこには、とんでもない光景が広がっていた。
(なんだよ…この光景は…?)
俺はどうやら高い場所にいるらしい。恐らく地面が石のような物からできている限り、何かの塔の上にいるらしい。そこからは下の様子がよく見えた。
けど、正直に言うとこの光景を見たくはなかった。
(これは…ひどいな…。)
そこには…
『何さぼってんだよ!しっかり働け!』
ピシィィン!
『ガァッ!』
『早く動け!チンタラし過ぎなんだよ!』
ピシィィン!
『きゃあぁぁ!』
そこには、鞭を持った神官と自分の何倍の大きさの物を持たされている『子供』がいた。
「……!!」
子供の服はボロボロで、まだ幼い子が大半をしめていた。
皆が皆、体中に傷があり、その中には女の子や老人もいた。
さらに、目の前には何とも不気味な塔がそびえたっていた。
「おいおい…この塔ってまさか…。」
エルザやシモン、ジェラールの過去に出てくる『奴隷』の暮らしの時にでてくる塔…
つまり、ここは…!?
「『楽園の塔』か…!!」
死者を蘇させるための塔、『楽園の塔』が目の前にあった。
〜???〜side
私の名前は『エルザ』。名字はありません。
私は今、石材を持って集積場所に持っていくため坂を登っているところです。
けどもう限界で、足がふらついて今にも倒れそうです。
「はぁはぁ……(あと少し…。)」
ジャリ ジャリ
私は足に食い込む石の痛みを我慢しながら、後数メートル先にある集積場所へ行っています。
けど、後数メートルという所で気が緩んだのか、足下がぐらついてそのまま倒れてしまった。
ガシャァァン!!
「きゃあぁぁぁぁ!!」
私は倒れてたと同時に石材を落としてしまい、周りに散らばってしまった。
しまったと思ったがもう遅く、神官が怒りの声をあげながら此方に走ってきた。
「おいっ!貴様何をしている!」
「ひっ!?」
私は怖くて少し後ろにさがったが、すぐに神官に捕まってしまった。
「貴様!何を石材を落としているんだ
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