第七話
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
」
「あれ? 違いましたっけ?」
「違わないわ。私達を助けてくれたときからすでに仲間になったはずよ?」
俊司の問いかけに、咲夜が答える。その後ろでは、早苗たちも軽い笑みを返していた。
「でっ……でも、私は」
「もともと敵だった。じゃあなぜ俺達を助けたんだ?」
「それは……」
「ここはすべてを受け入れる幻想郷。間違いを悔やむ場所じゃないよ」
「……」
由莉香はまだ踏み切れずにいるようだった。俊司はそんな彼女を見て軽く溜息をつくと、手を差し伸べながら口を開いた。
「じゃあ、俺達の仲間になってくれるか?」
「!?」
「なんだ? 何か断る理由でも?」
「えっ……あ……」
由莉香は戸惑いを隠せずにいた。どれだけ間違いを犯そうが、彼女を攻めようとせずに手を差し伸べてくれる彼を見ながら……
「で? どうなんだ?」
「ほんとに……いいの?」
「異論ないですよね?」
俊司が回りに問いかけると、誰も反論することなくうなずいていた。
それを見て、由莉香は心のもやがはれていく気がした。受け入れてくれたことに対する感謝と、やらなければいけないことに気づいて。
「……はい」
「決まりだな」
そう言って俊司は笑っていた。
「さてと、じゃあ行きましょうか!」
「ええ!」
一同は再び歩き始める。彼らの目には、新しい希望が映りこんでいた。
(10秒だな)
不適な笑みを浮かべた男が見ているのも知らずに……
(これから罪滅ぼしがはじまるんだ……まずは他の人にも謝らないと。受け入れてくれるかな……?)
由莉香は歩きながらそんなことを考えていた。何をしていくべきか、自分にできることを必死に考えていた。
(…ありがとう。俊司君)
心の中でそういいながら俊司を見る由莉香。
そのときだった。
(!?)
俊司のそばにあった木が、一瞬ユラリと動いたのが目に映った。由莉香は不審に思い、その木を凝視して見る。
すると、かすかに半透明の何かが浮かび上がっていたことに気づいた。
(これは……!?)
由莉香の体中に悪寒がはしる。
変な文字と丸い円盤のような何か。それに、どこかで見たことのあるようなもの。
浮かび上がっていたのは魔方陣だったのだ。
(魔方陣!? まさか!)
由莉香は魔方陣を使う人間を一人だけ知っていた。脳裏に浮かび
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ