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東方守勢録
第七話
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「あれ? 違いましたっけ?」

「違わないわ。私達を助けてくれたときからすでに仲間になったはずよ?」


俊司の問いかけに、咲夜が答える。その後ろでは、早苗たちも軽い笑みを返していた。


「でっ……でも、私は」

「もともと敵だった。じゃあなぜ俺達を助けたんだ?」

「それは……」

「ここはすべてを受け入れる幻想郷。間違いを悔やむ場所じゃないよ」

「……」


由莉香はまだ踏み切れずにいるようだった。俊司はそんな彼女を見て軽く溜息をつくと、手を差し伸べながら口を開いた。


「じゃあ、俺達の仲間になってくれるか?」

「!?」

「なんだ? 何か断る理由でも?」

「えっ……あ……」


由莉香は戸惑いを隠せずにいた。どれだけ間違いを犯そうが、彼女を攻めようとせずに手を差し伸べてくれる彼を見ながら……


「で? どうなんだ?」

「ほんとに……いいの?」

「異論ないですよね?」


俊司が回りに問いかけると、誰も反論することなくうなずいていた。

それを見て、由莉香は心のもやがはれていく気がした。受け入れてくれたことに対する感謝と、やらなければいけないことに気づいて。


「……はい」

「決まりだな」


そう言って俊司は笑っていた。


「さてと、じゃあ行きましょうか!」

「ええ!」


一同は再び歩き始める。彼らの目には、新しい希望が映りこんでいた。















(10秒だな)

不適な笑みを浮かべた男が見ているのも知らずに……















(これから罪滅ぼしがはじまるんだ……まずは他の人にも謝らないと。受け入れてくれるかな……?)


由莉香は歩きながらそんなことを考えていた。何をしていくべきか、自分にできることを必死に考えていた。


(…ありがとう。俊司君)


心の中でそういいながら俊司を見る由莉香。

そのときだった。


(!?)


俊司のそばにあった木が、一瞬ユラリと動いたのが目に映った。由莉香は不審に思い、その木を凝視して見る。

すると、かすかに半透明の何かが浮かび上がっていたことに気づいた。


(これは……!?)


由莉香の体中に悪寒がはしる。

変な文字と丸い円盤のような何か。それに、どこかで見たことのあるようなもの。










浮かび上がっていたのは魔方陣だったのだ。









(魔方陣!? まさか!)


由莉香は魔方陣を使う人間を一人だけ知っていた。脳裏に浮かび
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