第十四話 思いの大きさ
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弾け飛んだエネルギーは柱のように天に向かってそびえ高町とテスタロッサの二人をお互いの飛んだ方と逆の方に弾き飛ばす。
二人共空中で勢いを殺しているようで勢い良く地面にぶつかるということもない。
「大丈夫か! テスタロッサ」
そうと分かっていても心配なものは心配であり、声をかけてしまう。
だが、距離が開き過ぎているその言葉はテスタロッサには届いていないらしく反応がない。
それどころか破損してしまったバルディッシュを元に戻した後、ジュエルシードに向かっていく。
そうして祈るようにジュエルシードを押し込めるテスタロッサ。
「テスタロッサのやつジュエルシードを無理やり押し込める気かよ。行くぞ、アルフ!」
「行くって言ったって……止める気なら行かせないよ?」
「止めねーよ。と言うか本当なら止めなきゃいけないんだろうが、あんなに必死になってる奴を止められるほど非常じゃねーよ」
そんな事を言いながら俺はアルフと共にテスタロッサの方に向かう。
アルフにも言った通り俺はテスタロッサの行動を止める訳にはいかない。ジュエルシードの封印に関しては俺なんかよりテスタロッサのほうが慣れている。手伝うことぐらいはできるかもしれないが、テスタロッサのあの行為自体を止める訳にはいかない。
そうして俺達が近づくとほぼ同時にジュエルシードの暴走を押さえつけるテスタロッサ。思っているより外傷が少ないのはジュエルシードが願いを力に変える代物だったからかもしれない。
「フェイト!」
ジュエルシードを抑えこむと同時に気を失ってしまったテスタロッサを支えるためにアルフが人型に変化しながら駆け寄る。
それに一歩遅れて俺もそこに向かう。
俺はテスタロッサが無事だったと言うことにただ安堵していただけだが、ふとテスタロッサを支えているアルフの顔を横目に捉える。
そこにはテスタロッサの無事を喜ぶ顔でもなく、危機が去って安堵した様子でも無く、ただただ怒りの感情しかない鬼の様な形相で高町を捉える姿があった。
テスタロッサの体を思ってかデバイスを失った高町に、それ以上何かをするのではなく素直に引き下がるアルフ。
デバイスを失っていない俺はまだ戦うことができるが……テスタロッサ達が戻った今、俺だけがここに残って戦う意味は無い。その為アルフの後ろを追うように俺も続く。
後ろを見ながら去るときに写った高町の顔はひどく悲しそうに見えた……。
そんなことから少し後、俺は自分の部屋を右往左往していた。理由はテスタロッサの怪我の様子が気になったので俺も介抱すると言ったのだが、アルフに二人だけで話すことがあると断られてしまったからだ。
外傷はそこまでなかったように見えたが、気を失うほど気力を使っていたというのでどうしても心配
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