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ヴァレンタインから一週間
第18話 長門有希のお引越し
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ているのですが。



 そんな事を考えながら、しかし、表情、及び雰囲気には、その思考を一切、臭わせる事もなく破顔一笑。
 そして、

「何故、リーディングが危険な行為なのか、と言う部分についての説明をするから、聞いて貰えるかな」

 ……と、有希に問い掛けた。
 それに、不必要に彼女を追いこむ事が、俺の目的では有りませんから。

 俺の、そんな意図に気付いたのか、それとも気付かなかったのかは判りませんが、それでも、俺の言葉に興味を抱いた事は確実な雰囲気を発した後、有希は微かにひとつ首肯いて見せる。これは、当然、肯定したと言う事。

 それならば……。



 リーディングを行う人間は、先ず、相手との精神力の戦いと成ります。ここで、相手の精神力の防壁を破らない限り、そもそもが、相手の思考を読むなどと言う行為を行う事は出来ません。
 もっとも、一般人の精神力の防壁を破る事は、そう難しい事ではないと思いますけどね。

 次に、相手の思考を読むと言う事は、相手にも、自分の思考を読まれる危険性も有る、と言う事でも有ります。相手の精神力の防壁を破りながら、自分の思考はきっちりガードして置かなければ、リーディングを行う意味が無くなって仕舞いますから。



 ここまでで、少し話を中断して、有希の様子と、彼女の発して居る雰囲気の確認を行う俺。流石に、この段階で疑問符の方が多い場合、ここから先の説明は、更に意味不明で抽象的な内容と成る事が確実ですから。
 そう考えてから、普段よりも少し感知の能力を上げて、彼女が発して居る気を掴む俺。

 ……大丈夫。彼女から発せられている雰囲気は疑問符に彩られたモノなどでは有りません。これは、彼女が俺の荒唐無稽な説明をちゃんと理解してくれていると言う事。

 それならば、

「もし、この段階で相手の能力……精神感応力が高かった場合は、そのまま意識を相手に乗っ取られる危険性が有る」

 再び、息を整えた後に説明を開始する俺。

 俺達の間では、そのような相手の精神に乗っ取られた状態の事をシンクロ(同期)現象と呼ぶのですが、どっちかと言うと憑依現象って、表現した方が良い状況ですか。もっとも、もし、そんな状態になったとしたら、その時は相手の操り人形状態ですから、呼び名が、同期現象だろうと、憑依現象だろうと大して差はないのですが。

「相手の思考を読むだけで、ここまでの危険性や問題が有るんや。そうそう試せる訳はない。もっとも、相手がそれなりの術者や能力者ではない一般人ならば、思考を読む事ぐらいならば、簡単なモンなんやろうけどね」

 少し、軽口めいた口調で、そう伝えて置く俺。
 まして、リーディング能力者は、その能力に覚醒した瞬間から、相手の思考と、自分の思考を明確
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