第18話 長門有希のお引越し
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ない」
……と、続けた。
但し、これには少しの欺瞞が存在します。それは、難しくない、と言う部分。
確かに、和田さんと万結の気は掴んでいる心算です。しかし、それは流石に絶対では有りません。
故に、これは俺の能力を知る為の試験のようなモノと言う事。
この程度の事ぐらい熟せないのならば、ラゴウ星の顕われる場所には向かわせてはくれないと言う事なのでしょう。
まして、このラゴウ星への対処は、この世界の存亡を掛けた戦いと成る可能性も有る。
この程度の試験も真面に熟せない人間に、そのような大事を任せられる訳は有りませんから。
しかし、俺の答えを聞いた彼女は、更に強い疑問の色を浮かべている。
そして、
「あなたは相手の思考をリーディングする事が出来るの?」
……と聞いて来た。
そして、その時の彼女から発せられているのは警戒。
もっとも、それは当然でしょう。相手の思考を読む事が出来るリーディング能力者などに傍に居られると言うのは、流石にあまり気分の良いモノでは有りません。
多少は、警戒されたとしても、有希を責める心算は有りません。
但し、それ故に、正直に答えて置く必要は有りますか。それに、有希が何かの際に、俺の式神に付いての伝承に触れる機会がないとも限りません。
その際に知られるぐらいならば、初めから明かして置いた方が余程マシですから。
「それは、俺がESP能力者かと言う質問ならば、その答えは否」
最初に、有希の問いに対してそう答える俺。その瞬間、有希からは、少し安堵に近い色の気が発せられる。
ここまでは、ほぼ想定通り。幾ら、彼女が人工生命体とは言え、彼女も心を持つ存在。そんな存在が、傍に心を読む人間に居られる事を好む訳はないでしょう。
しかし、更に続けて、
「しかし、俺の未来に於いては、俺にはリーディングが行使可能と成って居る可能性も有る」
……と、答えた。
その俺の答えを聞いた有希から、少し微妙な、いや、これは間違いなく陰の気に分類される気が発せられた。
「有希も知って居る俺の式神の中に、ソロモン七十二の魔将の一柱、魔将ダンダリオンと言う式神が居る。
彼女の職能の中にはあらゆる存在の心を知り、そして操る事が出来る、と言う物が有る」
俺は、彼女から発した陰の気。つまり、警戒感に関して気付いていないかのような自然な雰囲気で、それでも、普段よりは少しゆっくりと有希に対してそう告げた。
そう。流石はゲーティアに記された知恵の女神。彼女の職能は、無駄口の海で溺れるだけではないと言う事。
但し、
「今の俺の連れているダンダリオンの能力では、ダンダリオンの鏡技能は行使出来るが、リーデ
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