第18話 長門有希のお引越し
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るとは思えませんか。名づけざられし者は無窮なる痴神。門にして鍵の方にしても、心の部分の存在しない、本能のみで動く存在のはず。
何故なら、外なる神の精神の部分は這い寄る混沌だと言われていますから。
そして、もし、這い寄る混沌がこの有希の部屋の和室に存在して居るのならば、ここで顕現する事は有り得ないでしょう。
何故ならば、ヤツはラゴウ星よりも狡猾な存在ですから。
こんな場所で顕現すれば、ここには現在、水晶宮の長史が存在して居ます。
彼と戦っては、如何に伝承で語られる邪神とは言っても、無事に逃げ切れるとは思えません。
そして、ヤツが厄介なのは、ヤツが外なる神の中で唯一封印を逃れている存在だから。
この場で顕現して、俺達と争っていたとしたら、例え、この場で倒される事が無かったとしても、直ぐに何処かの神族に捕捉され、封印か、それとも消滅させられる事と成ると思いますからね。
流石に、其処までの危険を冒してまで為したい事が、この世界に残って居るとは思えませんから。
「それでは、忍くんは、最後に人払いの結界を施した後に、我々の後を追って来て貰えますか」
有希の部屋に対する最後の結界が施された後、俺と有希の方に振り返ってから、そう告げて来る和田さん。
そう。これは当然、有希の部屋の和室に存在する可能性の有る、危険な魔法を身に付けた相手を完全に封印する為の作業。
そして、それは……。
「新しい部屋が、長門さんの気に入って貰えると嬉しいのですが」
水晶宮に因って用意された、有希の新しい部屋への引っ越しを意味する事。
そう、俺と有希。いや、おそらくは俺に言った後、俺の左側に立つ万結に目線のみで合図を行う和田さん。
そして、その一瞬後、この場から消えて仕舞う二人。
成るほどね。これは、彼ら二人の気を捕まえてから、正確にその場を割り出して着いて来いと言う事なのでしょう。
そして、俺と有希の内で、先に転移魔法を使用して移動した二人の気を捕まえ、その場に正確に転移魔法を使って移動する事の出来る人間は俺の方。つまり、これも俺の能力を試す為の試験と言う事でしょう。
そうしたら……。
俺は、転移魔法を使用して二人を追う為に、有希の顔を見つめる。
しかし、彼女は……。
「大丈夫。確かに俺は、新しい有希の部屋の有る場所は知らない」
俺を上目使いで見つめたまま、少し微妙な気を発する有希。その有希の放つ雰囲気から彼女の感じて居る疑問を推測して、そう答える俺。
そして、更に続けて、
「当然、俺は、その有希の新しい部屋に行った事もない。西宮の地理にも疎い。しかし、其処に居るはずの和田さんや万結の居る場所に転移魔法を行う事は、そう難しい事では
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