第18話 長門有希のお引越し
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行わない限り不可能でしょう。
しかし、五月に図書館の貸し出しカードを作った際の有希に、そんな情報の操作を行った記憶も、そして、他者に因る情報操作の痕跡も感じない、と言う事でしたから。
つまり、この世界に置いて彼女の持っている未来の記憶は、ほぼ意味のない物。彼女が無理に記憶の通りに歴史を進めようとしない限り、その記憶通りに進む可能性は非常に低い。そう言う代物と成って居るのだと思います。
それで、現在。
何と言うか、まるで授業参観の日に母親の目の前で発表させられる子供のような、妙な緊張に包まれながらも、アガレスを起動させ、時空結界で部屋自体を包み込む。
尚、俺よりも前に、有希のマンションの部屋の和室には、内側からは出られぬように万結が封印の札を外側から施し、それぞれの部屋に細かく結界材を置き、その後にマンションの構造材自体も簡易の結界材と為して時空結界自体の術式を複雑化した上で、俺が封印。
これで、
先ず、有希が元々施して居た時間凍結で、和室は通常の時空からは切り離されて居ます。
更に、万結が施した結界術で、和室からの出入りを完全に禁止しました。
其処に、俺が、有希のマンションの部屋自体の時間を停止させ、通常の時空からは完全に切り離して仕舞いました。
……と、言う事に成りますか。元々、有希以外の俺と万結は同じ系譜の術師ですから、術式同士が相反する事は有りません。更に、彼女の指し示す行は水。俺の木行とは水生木の関係で有り、相性は非常に良い。
尚、有希の行った時間凍結は、超絶科学の結果らしいので、はっきり言うと、俺には原理がまったく理解出来ませんでしたし、おそらく、地球人に再現する事は不可能でしょう。
そして、最後は……。
水晶宮の長史が、口訣を唱え、導引を結ぶ。
刹那、周囲の雰囲気が変わった。これで、後はこの階層に人払いの結界を施して、余計な一般人が侵入する事を防げば、そう、危険な事も無いでしょう。
少なくとも有希の記憶内には、今までの周回の最中に、この時間凍結中の二人が何らかのアクションを行った事はない、と言う事です。つまり、自らが、自らの改竄した歴史を再び変えるようなマネを行わない限り、不測の事態が起きる事はない、と言う事に成ると思います。
もっとも……。
俺は、今、目の前に存在している、今朝まで二日間暮らして来たマンションの一室の扉を見つめながら、少し、背中に冷たいモノを感じる。
そう。もし、そのキョンと言う存在が名づけざられし者や、門にして鍵、などと言う人知を超えた存在ならば、この程度の小細工など一切、通用しないはずなのですが。
もっとも、双方とも真の姿の時は真面な知性が存在す
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