第一章 二話 一角獣《ユニコーン》の目覚め
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きてくれ。』
『了解。』
短いやり取りのあとで、ハルとの通信を切る。
『あとは、任せる。ゲイケット、頼めるな。』
『お任せあれ。このくらいなら問題ない。』
白野はゲイケットにあとの事を任せると艦長室に引っ込もうとする。が、世の中そう甘くは無い。
レーダー監視を行っていたゲイケットの部下が警告の声をあげる。
『レーダーに反応!高熱源体接近!艦種照合…………出ました、[リークフレア]級及び[シャンクヤード]級、ともに二隻います!』
それを聞き、白野は考える。
(このタイミングでの襲撃、恐らくレッケンダス大佐に対する追撃だな。だとするとマズイ、レッケンダス大佐の[マハムント]級は満身創痍、とても戦える状態ではない。否応なく護衛戦となる。少し面倒なことになる。……………………アレを使うか。)
しばしの黙考の末白野は奥の手の使用を決める。
『砲雷班、アレを使う。準備をしていてくれ。』
『リョウカイ、艦首主砲エネルギーチャージカイシ。』
現在、砲雷班には特筆すべき人物はいない。なので空間通商管理局から貸し出されたドロイドが仕事をしている。決められた仕事を正確にこなす分、無能な人間よりはマシなのだ。だが、結局最後に必要なのは人の力、いわゆるマンパワーである。
だからして、優秀な砲術能力を持った人材との出会いを渇望してやまない白野であった。
『敵艦更に加速!30秒後に戦闘距離に到達します。』
ゲイケットが緊迫した様子で告げる。普段なら、あの程度の敵に手こずる事は無い。だが、今回はレッケンダス大佐と言う護衛対象がいる。自分たちが危なくなったら最悪放って逃げるという選択肢もあるが、後味が悪すぎるのでそんな事はしたく無い。
なので、白野は奥の手を使う。
『敵艦が戦闘距離に到達すると同時に仕掛けろ。』
『リョウカイ。』
『…………来ます!』
そして、白野は高らかに号令を下す。
『メテオプラズマ、発射?』
ユニコーンの銀色の船体の艦首に搭載された主砲から、船体とほぼ同じ大きさのプラズマ弾が放たれる。
これこそが、ユニコーンに装備された最強の兵器[メテオプラズマ]。限界まで圧縮したプラズマを一気に放出する、大マゼランでも有数の威力を誇る兵器である。
巨大なプラズマの塊は真紅の軌跡を描き一直線に敵艦に向かい先頭のシャンクヤード級に直撃した。
艦の船体よりも巨大なプラズマの塊をモロに食らったシャンクヤード級は、ひとたまりもなく粉砕され宇宙のチリとなる。
『敵一番艦、インフラトン反応消失。撃沈です。』
律儀にゲイケットが撃沈報告をした。そして、ニヤリと笑って付け加える。
『今の攻撃で敵はだいぶ混乱したようです。最早戦列すら維持出来ていません。…
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