第一章 二話 一角獣《ユニコーン》の目覚め
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理屈っぽいところもあるが、今では白野のいい友人のひとりである。
そして、その報告を受けて白野はかんがえる。
(ふむ、艦種不明の正規軍か。……事故ってはぐれたな。)
ゼロコンマ一秒でその結論をはじきだすと、白野はゲイケットに指示をだす。
『ゲイケット、前方ロンディバルド艦に通信、こちらユニコーンこれより救援に向かう、とな。』
『了解。……………………艦長、ロンディバルド艦から返信です。ワレ、貴艦ノ救援二感謝ス。とのことです。』
それを聞き、白野は艦内通信を入れてもう一つ指示を出す。
『整備班、聞こえたな?これからロンディバルド艦の救援にいく。船外活動の準備をしておいてくれ。』
『……………………了解…………』
ユニコーンの無口な整備士ハル・バークが言葉少なに答える。彼も、白野がバダック商会からスカウトした整備士である。腕はいいが無口なのでそれを認められる機会がやって来ず、バダック商会でベンチウォーマーに甘んじていたところをその実力を見抜いた白野が勧誘したのである。
『艦長、ロンディバルド艦から音声通信です。』
モニターに、ロンディバルドの軍服を着た若い男が写し出される。
『こちら、ロンディバルド連邦ベータ宙域艦隊所属グール・レッケンダス大佐だ。貴艦の救援に感謝する。』
グール・レッケンダスと名乗った大佐は、白野が知っているゲーム中のレッケンダス大佐とは少し違った。まず、全体的に若いし、髭が生えていない。そして、生え際の後退も始まっていなかった。
白野は、レッケンダス大佐と通信を続ける。
『[ユニコーン]艦長の白野秋人だ。無事でよかった。いま整備士をむかわせている。…………ところで何があった?正規軍がこんな所で単艦でいるとは。』
白野は、興味本意で聞いてみる。どうせ機密保持のため答えられないと言われると思っていたが、予想に反して答えてくれた。
『実は、この近辺に最近海賊の拠点が出来たとの情報がはいってな。私が偵察として送り込まれたんだが情けないことに、発見されてしまってな。囲まれてしまったんだ。何とか逃げ切ったが、もう連中は拠点を変えてしまっただろう。任務は失敗というわけだ。』
『そうか、そんなことがあったのか。…………ん?ああ、分かった。レッケンダス大佐あなたの艦、損傷が激しすぎて応急処置ではまともに動けないそうだ。港まで牽引させてもらう。構わないな?』
『…………ああ、頼む。』
そう言うレッケンダスは、相当落ち込んでいるようだ。無理もない。任務に失敗し、敵に逃げられ、挙句の果てに乗艦がスクラップになるのである。そんなことがあれば誰だって泣きたくなる。
『艦長、牽引ワイヤー装着完了です。』
ハルが白野に報告する。
『ご苦労様。戻って
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