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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十九話 迎える勝利への終局
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かったのだろう。溜息を吐き、説明する。
《そもそも俺は外界―――いわゆる君らの世界に直接干渉することが出来ない。かといって特異点に俺が降り立つこともまたしたくはない。そこで俺は一つ、手を打つことにした。アルフレートをスワスチカの一つに取り込ませることで世界への干渉を良しとして道を作り上げた。そして俺のいる世界に招待したわけだ》
その話を聞き、氷室玲愛には一つの疑問が浮かんだ。未だに城は機能を失っていない。だが、イザークは今、それを制御するほどの余裕がない。ならばそれを失えばどうなるのだと。
「じゃあ―――」
《言っただろう。選択は無限だと。無論、手に取れるかは君次第だがな》
玲愛が如何しようとしているかなど総てわかっていると言わんばかりに答えるアグレド。その様子を見て玲愛は掌の上で踊らされているだけじゃないのかと不安になる。だが、打てる手はこれ以外に思い浮かばない。ならば行動に移すしかないのだろう。
「まず、第一に目を開けよう。耳を澄まして、声に出して、そして助けたい――――――見つけたよ、私に出来ること」
アグレドがいるという世界への道を作り上げたのはこの方陣だという。なら逆のことも可能なはずなのだ。この世界からあちらの世界へと道を繋ぐことも出来るはず。
「死んじゃやだよ、藤井君。手伝うから手伝って」
******
長いようで短いような夢から覚めた。目が覚めてすぐにしたことは教室から屋上に向かって走っていくこと。外を見ても何もない。真っ暗な夜だ。空を見上げても夢のような出来事に出てきたオカルトめいた方陣もなければ、変な真黒な穴だってなかった。
だけど、吸い寄せられるように走っていった。何かがあるわけではない。むしろ何もないのだろう。だけど、あそこじゃないと届かない、きっと。自分でもわからないその衝動に駆られ、彼女は走り続ける。扉を叩き付けるように開き、大きく息を吸って――――――そして、
「あたしはここにいるからっ!」
声を張り上げ、自分はここで待っていると、綾瀬香純はそういった。そして、何もなかった空に道が広がりだす。
******
『レン、そんな強がり言わないで―――わたしを、みんなを信じて』
「――――――」
そんなことを言うマリィの声が聞こえた。そして、そのすぐ後に、みんなの声が聞こえて――――――
「馬鹿な――――――」
ラインハルトは瞠目していた。己の内に存在する魂が、奪ってきた数多の命が首筋から溢れ出していた。ありえないことだ。ラインハルト・ハイドリヒの魔城に下った魂は己の許可なく引きはがすことは不可能であり――――――いや、一つだけ例外があった。
「ゾーネン、キント……」
そう、グラズヘイ
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