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Dies irae~Apocalypsis serpens~(旧:影は黄金の腹心で水銀の親友)
第三十九話 迎える勝利への終局
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「結局、君は何のためにこの世界を用意したのだね?」
メルクリウスがアグレドに対して疑問を投げかける。互いに全力で妙技をぶつけ合う戦場を前にして、しかし言葉を交わす余裕はどちらにもあった。そして、超新星爆発を発現させながら、ふと疑問に思ったことをメルクリウスが尋ね、それに対して彼は咆哮を持ってして完全に止める。
考えてみれば当然のことだ。この世界を用意する必要性などない。彼自身が座につきたいなどと言うのならともかく、その意思は先の問答で否定されている。ならば先ほど言っていた次代の座を測りに掛けるため?それはどう考えてもついでにしか見えない。
二人の争いを止めるということに関しても、彼が手を出さずともメルクリウスは二者の戦いを当然止めただろう。特異点を多色に染め上げることを良しとしないのは彼も同じなのだから。
ならばなぜ、そんな無駄なことをと思わなくもない。事情を知らなかった?それはない。彼もまた数少ないメルクリウスの理解者なのだから。
「一つ、問題があった。それは下手すれば、いや高い確率でこのシステムそのものの基盤が崩しかねないものだった。誰も望まない。それこそ、それを流した本人ですらも。それを止めるために態々世界を包む形で介入せざる得なかった。ああ、実に面倒なことだし、本来はこのようなことで働きたくもないんだが、これが俺の仕事だ。気にするな」
つまり、世界総てを一時的に覆ったのも、その因子を掻き消すためだという。メルクリウスが流星群を降らし、アグレドはメルクリウスが発生させたグレートアタラクターの余波を
十の角
(
・・・
)
で掻き消しながら話を続ける。だがそれは本当の意味での理由ではない。そう、アグレドはメルクリウスに本音を漏らすつもりはない。彼が行う行動はメルクリウスの為などとは一言も言わない。言うつもりはない。
「では、その仕事とやらは終わったのかね?」
「ああ、
罪
(
アルフレート
)
が現世にいたころから少しずつ消し去っていたからな。方陣に介入したときには殆ど終わっていたようなものだ。もっともこの最後の介入こそが重要だったわけだが」
故に、問答の解は予め用意した補足的なもの。とはいえこれもまた間接的とはいえ目的には違いない。だからこそメルクリウスはその解に疑問を持たない。
尾
(
・
)
を振るい、流星は愚か、天に浮かぶ星々を蹴散らし、本来の数億倍の威力を持つであろうグランドクロスの天体位置を狂わせ、弱化させながら次手を遮ろうとするアグレドは質問に答える。
「ああいった類は完全に破壊しくさないといけない。君の望む女神も総てを受け入れる度量があるだけに余計危険だ。危険因子は完全に消さねばそれは問題の先送りにしかならないからな」
もとよりメルクリウスですらその危険因子の排除を出来はしないと彼は内心答える。それは
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