第二幕その二
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うしてこの地は血に染まっていったのである。
「そうだったね、彼等は新教徒だったんだ」
カルロはロドリーゴの話を聞いて頷いた。
「そうなのです、その為にあの地では何時果てるともなく戦いが続けられているのです」
ロドリーゴは悲痛な面持ちで言った。
「しかし君もカトリックだろう?何故そんなに悲しむんだい」
カルロは首を傾げて問うた。
「我々にとって彼等は敵だ。敵を倒さなくてどうするというのだい?」
「殿下、お言葉ですが」
ロドリーゴはそんな彼の主張に対して首を横に振った。
「彼等は考えの差こそあれど我々と同じなのです。彼等もまたこの双頭の鷲の下にいる者達なのです」
双頭の鷲、それはハプスブルグ家の紋章である。本来は神聖ローマ帝国の紋章であったが何時しかハプスブルグ家の紋章としても知られるようになった。
「それならば慈愛を持って対応するべきではないのでしょうか。それこそが彼等の、そして我がスペインの為であると存じます」
「つまり彼等の信仰を認める、ということだね」
「お言葉ながら」
ロドリーゴはそう言って頭を垂れた。
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