32*逃走中
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ヘヘ、先生。みんな祝福してくれてます」
この娘についてである。
「……泣いていいですか?」
もはやこれは泣くしかあるまい。
そんな自分に向かい、今まで黙っていたガルクさんが
「ナルミ君」
「……なんですか?」
「諦めろ。こうなった彼女達は誰も止めれない。下手に止めても血を見るだけだ」
そう言う彼の顔には暗い影見え隠れし、その表情は疲れと達観、そして悟りを開いたような色が見える。
「……経験談、ですか」
「俺の場合一番最初は6歳からだった……あの時は子供ながらによくこいつを止めれたと今でも思う」
「今度二人だけでゆっくりお話しをしましょう」
「ああ、上質の酒を用意しとく。共に飲み明かそう」
そういいながらしっかり握手しあう自分達。
やっと……やっとマトモな理解者が!!
「あらあら、もうガルクに認められて。さすがシルバの見込んだ旦那様ね」
「……ナルミ、この場合お前はもう義弟と言う事になるのか?」
……なんで親父はマトモなのに、こいつらはこうなんだろ。
「あんたらだから気が早いっての。自分は祖国のしきたりから18まで結婚できません!あと半年待たないと無理です」
世間ではこれを時間稼ぎといふ。
………あれ?
「なぜに皆さんそんな驚いた顔しとるん」
「いや……お前17だったのか」
「おうよ、華の17歳の高校二年生よ」
「……14か15くらいかと思ってた」
はい?
ゼノアさん、あなた眼大丈夫?
「な、ナルミ、本当に17か?背が高いだけの同い年くらいかと思ってたぞ!?私より三つも上とは……ありえん」
ありえるわいボケ。
エリザのくせに生意気な。
全く、何をいきなり……あ、そっか。
「あー、自分達の人種は顔が幼く見える人種でな。成人しても若く見えるらしい」
それに一番食いついたのは、力より技で攻めるというイノムさんである。
「ちょっと待て!!人間もそんな何種類もいるのか!?」
「えー、そっからっすか?」
「いいから答えろ!!」
この後、自分は人種やらなんやらについての質問攻めにあい、結婚やらについてはうやむやになったが、別の意味で後悔するハメになったのである。
「……しかし、あれだな。ナルミは17の割に子供っぽい所があるな」
「うるさい万年脳内お天気王女!気にしてはいるんだ、それに触れるな」
「だけど17なのにくぐり抜けてきた修羅場の数や質は並の兵士よりもかなり多いわよね。さすが未来の息子、頼りにしてるわよ」
「リリスさん、違うからそれ。頼りにしないで」
………この苦労と不幸の数も、並の高校生ではありえないであろう程の
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