32*逃走中
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……あれ、背中から変な汗が。
「さぁ、降参しなさい。しなければ……」
「……しなければ?」
「刺し殺す」
「さようならっ!!」
自分は逃げた。
限りなく逃げた。
そしてその先にいたのは
「くっそ!効いたぞナルミ!!」
はいバリス王子様ご登場。
「何で出てくる!死んでろ!!」
「あの程度で死ぬ訳ねぇだろ!!」
くっそ!
前門のバリス、後門のイノムかよ!
と、半ば絶望していると後ろからイノムさんが
「バリス、どきなさい。ナルミは私が頂く」
こうのたまった。
するとバリスは
「はっ!姉さんこそ消えな!ナルミは俺が捕まえる!!」
これを売り言葉に買い言葉といふ。
「姉に向かってその口のききかた。教育の必要があるわね」
「体力ないくせによく言うよ。結局小手先だけのくせに」
……あれ?
「私は力ではなく技で戦う。まぁ馬鹿にはわからないだろうがな」
「じゃあその技ごと姉さんの自信を今ここでへし折ってやるよ!!」
これはもしかして……。
「覚悟しなさい!」
「後悔すんなよ!」
そう二人が叫び、互いに剣を交えて戦い始めた。
自分をスルーして。
「おうらぁぁ!!」
「ぬるい!てりゃぁ!」
「はっ!おせぇよ!!」
……こいつら、二人して馬鹿だ。
「……ナルミ様、とりあえず逃げましょう。俺、早くおりたいです」
「だね。とりあえず近くにおりるか」
「はい。あ、あそこ、城のあの窓が開いています」
兵士君の言葉に従い、自分はとりあえずお城のなかに入る事にしたのである。
************〇☆
自分達がおりた所は、50人は余裕で入るただっ広い何もないお部屋である。
誰もいないその空間におりた自分は、不幸な兵士君を優しくおろして謝る。
「とりあえず、何度もごめんな」
「いえ、大丈夫です。てゆーかもう慣れました。……ととと」
そういいながら、空中にいた慣れのせいかよろついてうまく立てないようで尻餅をついた。
それに自分は手をさしのばす。
「大丈夫かい?」
「ええ、大丈夫で……す……」
すると、なぜか顔面蒼白になりながら、歯をガチガチ言わせている。
「どうしたん?なに「かかれぇ!!」ゴバァッ!!」
自分が彼に何があったか聞こうとした途端、上から重い何かが降ってきた。
な、何があった!?
自分が混乱しながらその重みに堪えていると、目の前に赤毛の小柄な少女がでてきた。
「うふふ。せーんせ、捕まーえたっ」
もはやおなじみ、シルバちゃんである。
彼女は動けない自分の顔を優しく抱きしめ
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