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なりたくないけどチートな勇者
31*謎の増援
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から一割程度をナルミの財産として与える事になっている」

あ、そーなの。
あれか、芋づる式か。

でもねぇ……

「いや、でも一割でしょ?それじゃあたかがしれてるべ。それだけでこの40人を養っていったら、絶対一ヶ月で底をつくっての」

「……ふっ」

あ、笑われた。

「なんですかその意味深な笑みは」

「いや、おまえは他人の事ならこんなに真剣になるのに、自分の事となるとスッポリ忘れてるのだな、と思ってな」

いや、他人の事なんか考えとらんよ。
自分、現在進行形で自分の事しか考えとらんよ。

そしてなんかバカにされた気がしてムッとなる。

「……じゃあ何を忘れてるんすか」

「おまえが西の地に領地を持っているという事だ」

………ああ。
でも、やっぱりこの子達はそんな半強制労働的に働かせるのは、ねぇ。
見た感じ、8歳くらいの子供もいるし。

「そーいやそーやね………でも……」

「やっと思い出したか!なら早速手続きをしよう!」

「いやちょっと……」

「まって下さい姉様」

自分がイノムさんの勢いに押され、困りあぐねているとエリザが彼女を止めてくださった。
珍しく訳に立つじゃねーか。

「彼らの他に、あともう一名、ナルミのたーんえっくすで半殺しにされて治癒室で治療をうけている者もいますので彼も一緒にお願いします」

そっちか!!

「わかった、そちらも伺おう。ではいくぞ、ついてこい」

そう言いながら、彼らをひきつれてどこかに行こうするイノムさん。
そんな彼女に着いて行こうとする彼らに最後の希望をかけて、呼び止める。

「ちょっとまって!」

するとみんな揃って息もピッタリにこっちを振り向いてきた。
軽くホラーだね、戦慄できる。

「君らは本当にそれでいいのかい?変に義理とか恩とか感じなくてもいいんだよ?」

「はい!最初ボク達はご主人様がボク達を助けてくれた理由を考えていませんでした!ですが、ご主人様のお言葉で、本当にご主人様がボク達に求めている事を痛感いたしました!そして、ご主人様は自由に生きろとおっしゃいました。なら、自由に奥様の言うとおり、ハセガワ家の従者として全力で働かせていただきます!!」

まっすぐだ。
彼らの眼は自分みたいに捻れて拗れて捻くれていない。

そして、このキラキラしたモノはなんだ?

「……あ、いや……うん…よろしく…」

つい勢いに押されて頷いてしまうではないか。

そしてそれを見た彼らは、バァッと明るい笑顔を見せ

「「「よろしくお願いします!!ご主人様!!奥様!!」」」

声を揃えこう言った。
………意志の弱い自分を括りたい。

「……おくさま……これからがんばりましょうあな
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