31*謎の増援
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後ろには、いつのまにか他の人達が自分にまたもや膝をつき、ひざまづいている。
そして、その子もみんなと同じように膝をついて、ゆっくりと話しはじめた。
「そして、ボク達は先程申しましたように帰る場所がございませんし、いつ死んでいたかもわからない失ったはずの命です!ならば!ボク等全員、ハセガワ・ナルミ候爵様に真の忠誠を誓い、あなたのために働きとう存じます!そのために時にはこの身を剣として仇なす敵を打ち倒し、時にははこの命を盾として迫り来る厄災からあなたを護る絶対の忠誠を全能神『ネクロ』の名のもとに誓います!!」
「まて、話せばわかる。ひとまず落ち着けおまいら」
なにがなんだかわからない。
エ?ナニコレツマリドーユーコト?
「つまりあれか、君らは自分のために死ぬ覚悟だと言いたい訳かい?」
頭が痛くなってきた自分は、こめかみらへんを押さえながら確認をとる。
すると
「はい!死んでいたはずのこの命!惜しくなどございません!!」
即座にそう言ってひざまづいたまままっすぐ自分を見つめるその子の眼は、決心とかなんかそんな強いモノが宿っていた。
他の人達も全員おんなじである。
そしてそんな強い心を持った集団の代表として目の前にいるその子に、自分は
「なん!でやねん!!」
パッシーン!
「ふぺ!?」
パジャマのポケットから取り出したハリセンを顔面目掛けて振り落とした。
なんかクリーンヒットしたらしく、その子は鼻を押さえながら悶えている。
他の人達に至っては、目を真ん丸くして驚いている。
そんな彼らに向かい、ハリセンを肩に担ぎながら自分は言う。
「べっつにそんな恩返し期待してた訳でもないし、せっかく自由になったんだから好きに生きなさい。そもそもわざわざ自分のために助かった命投げ出すとか、意味ないから。むしろ助けたのに自分のために死なれたら、自分がイヤ。わざわざ自分なんぞに恩を感じても非生産的過ぎるから、自由を楽しみながら気ままに生なさい」
ちなみにこの言葉のオブラートを剥がして周りについてた糖衣を溶かしてわかりやすく訳すると、『いや、マジそーゆーのいらない。きみらで勝手に自由に生きて』となる。
そして、自分のそんな優しさというオブラートでソフトに包んだ言葉は、きっちり皆様の心に届いたようで……
「………ふぁ…」
ふぁ?
「うぁーーーん!」
「グズッ……ヒック……」
「……スンスン………」
「せ、せん、せぇ……ふぇぇ……」
なぜかみんなして泣き出しはじめました。
なぜだ?
特にシルバちゃんが一緒に泣いている理由がわからん。
「……ナルミ」
限りない困惑と戯れている自分の肩に手をあて、声をかけてきたのはバリスで
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