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なりたくないけどチートな勇者
31*謎の増援
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思う。

そう思い、奴が諦めてその場所を去る事を期待しながら黙って静かに息を潜めていた。

だが直後、自分はこの行動を後悔する事になった。

「むー……しかたない」

そう言ってエリザが扉から少し離れる気配を感じ、安心した時それは起こった。

「私のこの手が真っ赤に燃える!勝利を掴めと轟き叫ぶ!!」

!!?

「いくぞ!ばぁぁぁくねつ!ごっどふぃんがー!!」

ドゴォォン!!

轟音と爆風と共に飛んでくる元扉とその周囲にあった壁だったものをなんとか防ぎつつ、その爆発源を覗くと、そこには右拳を突き出したエリザがいた。

「おお!やはりできたか!おいナルミ!どうだ!!」

彼女は自分を確認すると、パタパタとこちらに駆け寄ってきた。

「……どうやった?自分、教えた覚えないんだが」

「グラビデで炎魔法を一気に凝縮させ、拳に乗せて爆発させたのだ!!」

そう自慢げに言いながら胸を張るエリザ。

……改めて、魔法スゲー。

「……で、朗報とは?チャッチャと用件を言え。こんな事しでかすくらいなんだからよほどいいことなんだろうな」

ほら、扉があった所を見てごらんなさい。
なんかいっぱい、40人ちかいやじ馬が来てしまっちゃったでしょうが。
周りの迷惑考えて行動しなさい。

……あれ?
なんでやじ馬みんなフツーに女の子もいるの?
ここ男性用宿舎よ?襲われるよ?

そしてみんななんで鎧でなくてフツーに服着てるの?
ここ兵士用宿舎よ?みんなしてサボり?

…………あっれー?

「む、そうだ。ナルミが私を無視せずに素直に扉を開ければ………すまん、そういう事だったか。無粋な真似をしてすまなかった」

最初は威勢よく話していたエリザだが、なぜかだんだんおとなしく、本気ですまないと感じている風にしおらしく謝って来た。

「何がだ」

「いや……まさか昼間っから……なぁ」

そう言いながら、エリザはだんだん視線を下に移動させていく。
そしてその先には

「昼間だろうが夜だろうが、私は先生とつねに共にいるのですよ、姫様」

まぁ、お約束のシルバちゃんである。

うん、客観的にみたらこれはあれだ、ゴニョゴニョしたりチョメチョメをやったりしてるように見えなくもない。

てゆーかやじ馬、何がキャーだ。
特にうるさいのは女の子だが、早く仕事に戻れバーロー。

「まぁ……邪魔して悪かった」

「限りなく勘違いだから、なにアホなコト考えてんだバカヤロー。用件話せ用件。そしてシルバちゃんも調子乗らない、離れなさい」

そう言いながらシルバちゃんを自分から引き離し、エリザに向き直る。

それと同時に、離れた途端に膨らんだ彼女の頬っぺたを突いて中の空気を放出さ
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