第一幕その四
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が出てきた。モントーバン伯爵夫人である。
「姫様、お喜び下さい。お父上が姫様を偉大なスペインと新大陸の王の妃になさることを決まられたのです」
どうやらこれはエリザベッタの父が決めたことであるらしい。
「スペインとフランスの長い戦争もこれで終わります。そして両国はこれより平和の歴史を歩むのです」
両国の平和、それを言われて拒めるエリザベッタではなかった。
「このご結婚、受けられますね?」
「・・・・・・はい」
断ることはできなかった。それは彼女が最もよくわかっていた。
「これで両国に平和が訪れます」
「平和だ、平和だ!」
民衆が喜びの声をあげる。それは心からの声だった。
その声が森に満ちるエリザベッタとカルロはその声自体はよかった。だが今の惨たらしい運命に二人は絶望の奥底に叩き込まれていた。
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