第三十二話〜R2・人と想い〜
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルーシュはゼロと言う記号を利用し、ブリタニアに利用される日本人全てを国外追放という名の開放で合法的に逃げようとしたのだ。
スザクは歯噛みする。
(これは卑怯な、騙し討ちだッ!)
ルルーシュは嗤う。
(さあ、スザク。貴様の正しさで認めろ。ゼロを許せ)
それはスザクをよく知っているから、そして信じているからこそのルルーシュの行動。そしてそれにライは気づいていたがルルーシュ本人は信じていることにまでは気がついていなかった。
結果として百万人の日本人は国外追放となった。日本人がいなくなり、閑散とした式典会場に一人佇むスザクはゼロの正体がルルーシュであると確信を強めた。
六課メンバーはここまで大胆に、しかし的確なルルーシュの策に感嘆していた。彼らも見ず知らずの人であろうと助けるだけの覚悟はあると自負している。しかし、身内と他人を秤にかけた場合、必ず動揺してしまうことも自覚していた。だが、ルルーシュはこの場合、身内も他人も全てを救うほどの覚悟を示したのだ。その事に憧れと同時に少しだけ悲しみも感じてしまっていた。
まだ、十代の子供が自分達の考えられないほどの人の命を自覚と覚悟を持って背負っていることに。
皇歴の世界では、大きな勢力が3つ存在する。一つ目はブリタニア帝国、二つ目はEU、そして三つ目は中華連邦である。ゼロとして国外追放された日本人、彼らはその大国の一つである中華連邦に身を寄せた。
元々根回しを行っていたため、特に問題もなく事が運ぶと思われたがブリタニアは思わぬ一手を打ってきた。
『ブリタニア第一皇子と中華連邦の最高権力者・天子との結婚』
戦略結婚であるこの婚儀が成立した場合、中華連邦とブリタニアの友好関係が築かれ、ブリタニアにとってのテロリストである黒の騎士団はブリタニアに差し出される形になるのだ。
黒の騎士団には友達である神楽耶がいることと想い人がいる天子は、その結婚が受けたくはなかった。だが、取り巻きである大宦官にとっての飾りである彼女にはそれを強く言うことはできなかった。
女性が多い、六課のメンバーはまだ幼い天子が想い人のいる中、政治の道具としてほとんど面識のない、しかも約20歳も年の離れた男と無理矢理結婚させられることに怒りを覚えた。
結婚の前夜に行われた婚約祝賀パーティーにゼロはカレンと神楽耶と共に姿を見せる。その際、ブリタニアの出席者として参加していた第二皇子シュナイゼルと鉢合わせ、座興としてゼロとシュナイゼルがチェスをすることとなる。
チェスはお互い一歩も譲らず、引き分けになるようにみえた。しかし、そこでシュナイゼルはルルーシュのキングの前に自らのキングを置き一言言う。
「チェックメイト」
その場にいた誰もが驚く。ルルーシュはシュナイゼルのキ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ