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ドン=カルロ
第五幕その三
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エリザベッタが言った。
「そうだ、カルロはそれにより救われた」
 王は静かに言った。
「しかし・・・・・・」
 ここで言葉を濁らせた。
「我々はその救いを得られはしない」
 それが全てであった。
「偉大なる皇帝、威厳あまねきあの方も今はただ神の御許に」
 何処からか声がした。それはそこにいるせべての者の心に響いた。
 鐘が鳴った。カルロとロドリーゴに向けられた祝福の鐘であった。


 ドン=カルロ    完


                  2004・5・9

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