12 「師弟」
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書いていくルイーズ。エリザもそれを手伝い始めた。
「とりあえず太刀合いしてみようか」
「は、はいっ」
「固くならないで。……うん、これでいいかな」
ぽんぽんとナギの手の中ではねるのは、ちょうど手のひらに収まる程度の太さの枝。細い丸太だ。長さは一般的な太刀よりちょっと長い程度。それは持ち手を上に上げることで刃渡りを同じにした。
「あの……?」
「心配しなくていい。君は本気で俺をモンスターだと思って斬りかかってきて。人相手だとまた違った動きになるけど、多分そうはならないはず。まず、小型の鳥竜種からね」
リーゼはナギが何を言っているのかよくわからなかったが、とにかく構えた。彼が何を言っているのか、なぜ『俺をモンスターだと思って』と言ったのかは、時期にわかった。掛け声と共に丸太で“突き”をしてきたナギの動きは、明らかに異質だった。
なんというか、人らしくないのだ。妙にふらふらして隙だらけになったり、かと思えば斬りかかった時に後ろに跳躍して避けたり。
これは、そう、まるでジャギィやジャギィノスを相手にした時のような。
「やぁ!」
移動切りでナギの丸太に大きく傷をつける。たかが丸太、と真っ二つにするつもりだったのだが、思いの外頑丈で、表面が削れるだけにとどまった。ナギの動きが止まり、次は大型鳥竜種と言われる。
その次は牙獣種、さらに次は飛竜種。これは全く対応できなかった。にしても一体どんなふうにすればこんなことができるのだろう。どう考えても人間が竜と同じ動きをできるわけがない。のに、リーゼは本当に今、目の前に飛竜が――【陸の女王】リオレイアが悠然と立っているように感じたのだ。
「ふむ、いろいろ思ったんだけど……」
「は、はい」
「君、太刀はやめたほうがいい。いや、太刀より向いている武器がある、と言ったほうが正しいかな」
予想外のことに言葉をなくすリーゼに、ナギはその場に座り込んだ。芝がふかふかに生えているから、リーゼも躊躇することなく腰を下ろす。
「君は――気にしているかもしれないから言うのは忍びないんだけど――背が、それほど高いわけではないよね」
「はい」
リーゼロッテの身長は150cmを数センチ上回るくらいで、小柄だ。まだ16歳だしこれからもっと伸びていくとも思われるが、ここ最近の成長の伸び率はたいそう悪く、そろそろ成長は止まるのだろうと彼女自身わかっていた。1年で1cm伸びるか伸びないかなのだ。母の背は高く、父も大して低いわけではないのに。祖父母はちっちゃかったけど。隔世遺伝か。
「太刀の魅力は、流れるような連撃と広い攻撃範囲だよね。斬るたびに威力が上がっていくことも挙げられるかな。…リーゼは、なんで太刀を選んだの?」
突然身長からそんな話に移行したことにつ
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