12 「師弟」
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らは?」
頭をガシガシとかき、ちらりともじもじしていた方の少女――リーゼロッテに目を向ける。肩を跳ねさせた少女はえーとえーとと繰り返すばかりで、頬を染めたまま何が言いたいのかわからない。これみよがしにため息をついてみせたエリザが説明した。
「よかったら、ハンターとしての心得とかを教えてほしくてついてきたの。ま、あたしが連れてきたみたいなもんだけど。この子太刀使いなんだけど、それでもちょっとしたアドバイスとかはできるでしょ、熟練ハンターとして」
「いや、ハンターの心得というか……」
「色々言いそこねてたけど、旦那はハンターじゃニャいニャ?」
困惑するナギと、少女たちに青天の霹靂たるカミングアウトをするルイーズ。呆けた少女たちに、申し訳ないけどとナギが言い直した。なんだかずかずかと人の領域に入ってくる(主にエリザが)2人に、ほかの人間に比べ慣れがではじめていた。言葉を迷いながらも口を開く。
「俺はただ渓流に住んでる一般人なんだ。ハンター登録もしていない」
「け、渓流に住んでるような人間は“一般人”なんて言わないわよっ!」
「すまない。だからハンターとしての礼儀とかは分からないが、狩りについてのアドバイスはできるから……それで勘弁してくれないか」
エリザがずずいっと近づくだけ後ろに後退し、にへらっと笑いながら妥協案をだした。リーゼはというと、ちょっと顔が青くなっている。ナギがハンターじゃなかったことにそんなにショックだったのだろうか。そんなことを思っていると、件の少女が口を開いた。
「あ、あの…すみませんでした!」
「ニャにが?」
「あのとき…ジャギィの素材が取りすぎとか、ハンターの礼儀がどうとか言って…、ナギさん、ハンターじゃなかったのに!」
(ああ、あのときか)
ユクモ村に向かうときのことを話しているのだとわかった。気にしないでといい、まだ申し訳なさそうな顔をしているリーゼから再びエリザに水を向ける。
「怪我は、平気なの?」
「そろそろハンター再開しても平気って医者にも言われたわ」
「そう…よかった」
これで断る理由も消え、折角ここまで来たのにリーゼだけ帰すわけにもいかないから、とりあえずエリア9に向かう。いつぞやデュラクがリオレイアを倒したあのエリアだ。別にエリア6の滝横の岩を登って言っても構わないが、このあいだのリーゼロッテの様子を見る限り2人にそれはまだ無理そうだったので、安心安全なルートを選ぶ。
「それじゃ、行こうか」
「乗らないの?」
ちょっとワクワクしたような声でエリザが問うが、ナギは首を振った。デュラクはナギの意を汲みのしのしと3人から離れ、風圧が届かないところまで来てからふわりと浮き上がった。
「3人は乗れないんだ。それに、2人に道を覚え
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